悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)の治療法
悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)は、神経の鞘(シース)内部に発生する軟部組織肉腫です。治療には腫瘍外科医と腫瘍内科医(腫瘍専門の脳神経外科医)によるチーム医療が重要で、軟部組織肉腫を専門とする医療機関での治療が望まれます。腫瘍の部位、タイプ、患者の全身状態に応じて、手術・放射線療法・化学療法を組み合わせた多段階の治療が行われます。
治療の種類
- 外科的切除
- 放射線療法
- 化学療法
外科的切除
MPNSTの標準的な治療は腫瘍の外科的切除です。腫瘍と周囲の悪性組織を取り除き、切除縁(マージン)を病理検査で確認し、がん細胞が残っていないことが確認できるまで必要に応じて追加切除を行います。がん細胞が残らない「切除縁が陰性」の状態を目指すことで、予後改善が期待できます。
放射線療法
放射線はイオン化放射線を局所的に照射する治療法で、以下の3つのタイミングで有用です。
- 術前放射線:腫瘍を縮小させ、手術の難易度と全身麻酔時間を短縮します。
- 術中放射線:切除範囲を最小限に抑えつつ、切除縁をクリアに保つことで、特に四肢などの末梢部位での切断や切断術(切断)を回避できます。
- 術後放射線:手術で除去しきれなかったがん細胞を殺滅し、再発リスクを低減します。
化学療法
局所的なMPNSTに対する効果は限定的ですが、転移や遠隔転移が認められた場合に全身的な治療として化学療法が用いられます。経口または静脈内投与で、がん細胞の増殖を抑制・死滅させる薬剤を使用します。
治療上の留意点
MPNSTは転移しやすく、特に肺への転移が頻繁です。その後、全身の任意の部位へ拡がる可能性があります。希少ながんであるため、治療は患者個々の病状や全身状態に合わせてカスタマイズする必要があります。
