前立腺シードインプラント(ブラキセラピー)のリスクと注意点
対象となる患者は?
がんが前立腺に留まっており、尿路閉塞のリスクが低いと判断された場合に、放射線腫瘍医がブラキセラピー(シードインプラント)を治療選択肢として提案します。治療前に、手術直後の副作用から放射線による長期的な影響まで、すべてのリスクを医師と十分に話し合うことが重要です。
手術直後の症状
シードインプラントは、経直腸超音波プローブと細い針を用いて、前立腺内に 50〜100 個の放射性シード(米粒大)を埋め込む手術です。手術後に前立腺部の圧痛や腫脹、あざが生じることがあります。これらは通常 1 週間以内に改善しますが、1 週間以上続く、あるいは悪化する場合は、シードの位置ずれや放射線への拒絶反応などの合併症が疑われます。
主な2つの危険
前立腺は尿流と勃起機能の両方に関与しているため、シード埋め込みに伴う長期的な副作用が懸念されます。
- 永久的な尿失禁・尿路閉塞:シードによる炎症や腫脹が原因で、尿のコントロールが難しくなる、または排尿ができなくなるリスクがあります。年齢が高いほど永久的な失禁の発生率は上昇します(例:70 歳以上の患者は 50 歳以下に比べリスクが高い)。
- 勃起不全:放射線が勃起に関与する神経を損傷する可能性があります。影響の程度は個人差が大きく、全く問題がないケースから軽度の低下、最悪の場合は完全な勃起不全まで様々です。将来子どもを望む男性は、治療前に精子バンクに保存しておくことが推奨されます。
放射線に伴うリスク
シードから放出される放射線はがん細胞を死滅させますが、周囲の正常組織にも影響を及ぼす可能性があります。シードが尿とともに排出されるケースが報告されており、患者本人だけでなく同居者や接触者が被ばくするリスクがあります。妊娠を計画しているパートナーがいる場合は、放射線の影響を最小限に抑えるため、精子凍結や適切な避妊対策が必要です。
まとめ
前立腺シードインプラントは、外部照射に比べて局所的に低線量の放射線を届けられる利点がありますが、尿失禁・勃起不全・放射線漏れなどのリスクが伴います。治療を受ける前に、年齢・生活スタイル・将来の家族計画などを考慮し、医師とリスク・ベネフィットを十分に比較検討してください。
