前立腺がん放射線治療の遅発性副作用

放射線治療は前立腺がん患者に最も一般的に行われる治療法のひとつです。熟練した医療スタッフと最新のハイテク機器が揃えば、局所的な腫瘍に対して根治的な効果が期待できます。しかし、すべての治療と同様に、即時の急性症状だけでなく、治療完了後に現れる遅発性副作用にも注意が必要です。

尿路系の遅発性副作用

手術後の尿失禁は通常一時的ですが、放射線治療の場合は症状が治療終了後2年ほど経ってから出現し、時間とともに悪化することがあります。9週間にわたる標準的な放射線療法の後、尿道が損傷を受け、尿のバリア機能が低下することがあります。

腸管の遅発性副作用

直腸壁は前立腺よりも放射線に対してはるかに感受性が高く、損傷が起きると頻繁で軟便になることがあります。放射線治療初期に直腸炎を起こす患者は全体の6〜8%程度ですが、治療終了後1年で約35%の男性が腸の不調を訴え、2年後も下痢や直腸の緊急感、出血が続くことがあります。

出血

放射線は尿道粘膜に潰瘍を生じさせることがあり、遅発性の出血や疼痛を引き起こします。重度の出血で輸血や膀胱摘出が必要になるケースは全体の1〜3%に過ぎませんが、血管の異常や膀胱への二次的損傷が起こり得ます。

勃起不全

放射線の約40〜50%が陰茎に吸収されます。前立腺手術とは異なり、放射線では勃起に関わる神経や血管を完全に回避できないため、勃起障害は治療後数年たってから顕在化することがあります。投与量、放射線の種類、がんのステージ、施術者の技術により程度は異なりますが、治療後1年以降に30〜50%の患者で問題が表面化します。また、放射線は精子細胞を変異させるため、治療後に自然妊娠は極めて困難です。

毛髪・体毛の脱毛

骨盤領域に全線量が照射された場合、恥毛が永久的に脱毛するケースが多数報告されています。

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