IV期前立腺がんに対するホルモン療法の概要
前立腺がんは男性の前立腺に発生するがんです。多くは男性ホルモン(アンドロゲン)に依存して増殖するため、ホルモン療法が有効です。IV期、すなわち他臓器へ転移した前立腺がんに対しては、根治はできませんが、がんの増殖を抑え、生存期間の延長や症状緩和を目指します。
ホルモン療法はいつ使用されるか
ホルモン療法はIV期前立腺がんの標準的な治療の一つで、放射線療法や手術と併用されます。がんが転移し、外科的に除去できない場合に、がん細胞の増殖を遅らせる目的で行われます。
ホルモン療法の種類
代表的な方法は次の通りです。
- 去勢手術(精巣摘除):男性ホルモンの約90%は精巣で産生されるため、手術で除去することでテストステロンを大幅に減少させます。副作用として、ホットフラッシュ、乳房の張りや肥大、骨粗鬆症、抑うつなどがあります。
- LHRH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)アゴニスト/アンタゴニスト:注射薬でテストステロン産生を抑制します。定期的な投与が必要です。
- 抗アンドロゲン薬:フルタミド、ビカルタミド、ニルタミドなどの経口薬で、体内のアンドロゲン受容体を阻害し、ホルモンの作用を抑えます。
ホルモン療法は常に使用されるわけではない
一部の前立腺がんはホルモン療法に反応しません。また、初期は効果があっても時間とともに耐性が生じ、ホルモン抵抗性前立腺がん(HRPC)となります。HRPCでは、生体免疫を活性化させる生物学的製剤や、骨転移に対するビスホスホネートなど、別の治療法が中心となります。
