前立腺がんの放射線シード治療(ブラキセラピー)
前立腺がんの治療法は多岐にわたりますが、その中でも放射線シード(ブラキセラピー) implantation は、腫瘍に直接放射線を照射できる効果的な方法です。主に進行の遅い早期前立腺がんに適用されます。
種類
-
永久型(低線量)ブラキセラピー:ヨウ素-125 またはパラジウム-103 のシードを最大約100個、前立腺内に永久的に埋め込みます。シードは近距離で放射線を放出し、時間とともに放射能が減衰しますが、体内に残ります。
-
一時型(高線量)ブラキセラピー:イリジウム-192 やセシウム-137 の大型シードをカテーテルで前立腺に配置し、5〜15分間留置した後に除去します。
手順
-
全身麻酔(脊椎麻酔または全身麻酔)下で、会陰部(陰嚢と肛門の間)から針を刺しシードを配置します。高線量型ではカテーテルも使用します。永久型は入院後翌日まで観察し、一時型は全治療が完了するまで数日間入院します。超音波、CT、MRI でリアルタイムに位置を確認しながら埋め込みます。
メリット
-
放射線が前立腺内に局所化するため、膀胱や直腸への被ばくを最小限に抑え、尿道や性神経への永続的な損傷リスクが低減します。
-
手術を伴わないため感染や出血のリスクが低く、治療時間が短く回復も早いです。
-
高精度な線量調整が可能で、外部放射線療法に比べて治療回数が少なくて済みます。
リスク
-
下痢や腸障害は全患者の5%未満と報告されていますが、尿道刺激による頻尿は約3割の患者で見られます。
-
勃起不全のリスクが上昇する可能性がありますが、確定的なエビデンスはまだ不足しています。
-
稀にシードが前立腺外へ移動することがあるため、術後のフォローアップが重要です。
適応制限・注意点
-
主に早期・低リスクの前立腺がんに限定されます。TURP(経尿道的前立腺切除)後や尿路症状がある患者は合併症リスクが高まります。
-
前立腺が大きい場合、シードの分布が不均一になる恐れがあり、十分な効果が得られないことがあります。
-
治療が不成功だった場合、同じ部位での再施行はできません。
