ACTeRS(ADD‑H総合教師評価尺度)とは?
ACTeRSはADD‑H Comprehensive Teacher’s Rating Scaleの略称で、テストではなく評価尺度です。主に医師がADHD(注意欠陥・多動性障害)診断や治療効果のモニタリングに使用します。
特徴
- 教師、保護者、本人用の3種類のフォームがあり、注意力・多動性・社会性・反抗性を評価します。
- 各質問は24〜25項目で、1(ほとんどない)から5(ほぼ常にある)までの5段階で評価します。
- 教師・保護者用は5歳〜12歳の子ども向け、自己報告は12歳以上の子どもと成人向けです。
歴史
ACTeRSは1985年にイリノイ大学児童行動・発達研究所で開発され、幼稚園から8年生までの約4,000人の教師評価を基に標準化されました。2000年に改訂版ACTeRS‑2が登場し、2,362人の子どもの評価を用いて再標準化されました。
採点方法
評価が完了すると、医師または心理士が採点を行い、得点は百分率スケールに変換されます。注意力・多動性・社会性・反抗性の各領域で、同年齢の子どもと比較した位置が示され、数値が低いほど他の子どもと比べて顕著な問題があることを示します。
利用目的
精神科医や小児科医は、ADHD診断基準(DSM‑IV/DSM‑5)で「複数の環境で症状が認められる」ことを確認するためにACTeRSを活用します。ただし、他の疾患との鑑別はできないため、単独で診断に用いることはできません。
精度と課題
項目数が少ないため、他の評価尺度に比べて精度が劣ると指摘されています。研究ではADHD児と非ADHD児の区別が十分でないことが報告され、標準化は性別のみで年齢や学年が考慮されていない点も批判の対象です。また、評価者の主観が入るためバイアスが生じる可能性があります。
