注意欠陥・多動性障害(ADHD)の症状と対策

診断のための評価項目

米国小児科学会は、他の障害を除外するために、子どもに包括的な医学的・神経学的検査を受けさせることを推奨しています。家族歴や個人の病歴を詳しく聴取し、保護者、教師、その他のケア提供者へのインタビューを行い、複数の環境での行動を評価します。行動評価尺度の記入や、ADHD専門の訓練を受けた専門家による観察も重要です。ADHDスクリーニングツールや心理教育的評価(心理的健康やIQの測定)も併用します。

診断時の留意点

評価者は症状の出現時期を確認します。診断基準では、症状が7歳以前に現れていることが必須です。診断の有無は問わず、症状が存在すればこの条件を満たします。また、症状が子どもの学業、社会生活、対人関係に悪影響を与えているかが重要です。影響が軽微であれば、ADHDと診断されません。

主な症状

  • 不注意:指示を最後まで聞かない、課題や家事で不注意なミスを繰り返す、大人の話を聞いていないように見える、必要な物を紛失・置き忘れする、先の計画を立てられない、課題を途中で放棄する。
  • 注意散漫:周囲の音や動き、視覚刺激など外的刺激があると課題に集中できない。
  • 衝動性:順番を待てない、指示を待たずに行動を開始する、答えをすぐに口に出す、他人の話を遮る。
  • 多動性:座っていられず立ち上がる、席でそわそわする、絶えず話し続ける、場面にそぐわない走り回りや登攀をする。

誤解されやすい点

ADHDの子どもは、大人から「わざとやっている」や「態度が悪い」と誤解されがちです。ある状況で集中できても、別の状況では同様に集中できないことが多いです。衝動や話したい欲求が制御しきれないため、本人の意思だけでは行動を抑えられません。

予防・対策

ADHDの治療は、カウンセリング、行動修正、組織化や計画スキルの指導といった複数のアプローチを組み合わせることが基本です。必要に応じて、短期間の薬物療法で症状を安定させ、子どもが対処スキルを習得する期間に使用することもあります。長期的な薬物治療が必要なケースもあります。

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