記憶障害

末期になると記憶障害は極度に進行し、日常的な物や家族の顔さえ認識できなくなることがあります。本人は自分の名前は覚えていることが多いですが、同じ質問を何度も繰り返したり、慣れた場所で迷子になることがあります。ペンを冷凍庫に入れるなど、物の置き場所を間違えることも頻繁に見られます。

コミュニケーションの困難

言語理解力が低下し、会話が成り立ちにくくなります。言葉が徐々に失われ、数や抽象的概念を忘れ、頻繁に同じ語句を繰り返すようになります。一般的な単語を忘れたり誤って使ったりするため、本人は自分の言葉が通じないことにフラストレーションを感じやすくなります。

歩行・身体機能の低下

歩く速度が遅くなり、バランスが崩れやすくなります。物を落としたり、転倒したりする頻度が増え、最終的にはベッドや車椅子に固定されることがあります。転倒防止と褥瘡(床ずれ)予防のために、介護者のサポートが必須です。

食事と体重減少

食欲の変動が激しく、過食になることもあれば、食事をほとんど取れなくなることもあります。嚥下機能が低下するとむせやすく、肺炎のリスクが高まります。体重が減少している場合は、食事の介助や栄養補助が重要です。

尿・便失禁

末期の認知症では排尿・排便のコントロールが困難になり、失禁が頻繁に起こります。適切なケア用品と皮膚ケアで、感染や不快感を防止しましょう。

行動・精神の変化

気分の変動や性格の変化が顕著になります。混乱や不安から怒りや攻撃的な行動を示すこともあれば、逆に無気力になり外出や対人交流を拒むこともあります。手を振り回す、体を揺らす、紙を破るといった自傷的な動作や、幻覚・妄想が現れることもあります。これらの行動は、適切な環境調整と穏やかな声掛けで緩和できます。