酸逆流(胃食道逆流症)と喘息の関係

米国国立衛生研究所によると、喘息患者の約32%~84%が胃食道逆流症(GERD、通称酸逆流)を併発していると推定されています。酸逆流が喘息を悪化させる具体的なメカニズムは完全には解明されていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。

酸逆流と喘息

酸逆流は胃酸が食道へ逆流する状態で、食道は肺と直接つながっています。喘息患者は呼吸器に刺激が加わると炎症が起こり、喘鳴(ぜんめい)や咳、息切れといった症状が現れます。逆流した胃酸が食道を刺激することで、これらの喘息症状が誘発されやすくなります。

薬剤の副作用

通常、腹部は正圧、胸部は負圧という圧力バランスが保たれています。長時間作用型気管支拡張薬など喘息治療に使われる薬は、胸部の負圧をさらに低下させることがあります。この圧力の不均衡が胃酸の逆流を助長し、食道への逆流リスクが高まります。

食道括約筋(食道弁)

喘息による呼吸困難は、食道下部の括約筋(食道弁)を閉じにくくします。弁が十分に閉まらないと、胃酸が食道へ流れ込みやすくなるため、逆流が頻発します。

気管支神経刺激

胃酸が食道下部に逆流すると、食道の神経が刺激され、これが気管支神経へ伝わります。結果として気道が収縮し、喘息発作を引き起こすことがあります。

非酸性逆流

酸以外の内容物が食道上部で逆流し、直接上気道に流れ込むことがあります。これを非酸性逆流と呼び、胃酸が関与しないにもかかわらず、気道の刺激や炎症を引き起こし、喘鳴や咳などの喘息様症状を誘発します。

以上のように、酸逆流と喘息は相互に影響し合う関係にあります。喘息患者は逆流症状の有無を医師に相談し、必要に応じて適切な治療や生活習慣の改善を行うことが重要です。

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