クレアの筋肉への作用と医療利用
起源
数百年にわたり、南米の先住民は熱帯雨林の樹冠に生える木のツルからクレアを抽出し、毒矢の先端に塗って狩猟に利用してきました。16世紀にヨーロッパ人が大陸に到達すると、この物質の致死性が知られ、標本がヨーロッパへ持ち帰られました。
背景と開発
初期の実験は致死量が極めて小さく、管理が難しかったため失敗に終わりましたが、薬剤としての可能性は明らかでした。1942年にトーマス・カレンが純粋なアルカロイドを単離し、手術での使用が可能となりました。続いて1947年にダニエル・ボベが合成クレアを開発し、用量の調整が容易になりました。
生理作用
クレアは神経筋接合部に作用し、アセチルコリン受容体を遮断して筋肉を弛緩させます。呼吸筋にまで作用すると、呼吸ができず窒息死に至ります。
医療への応用
現在、クレアの派生薬は手術時の筋弛緩剤として使用され、少量の麻酔で十分な筋弛緩を得られます。また、痙攣やてんかん、破傷風などの筋肉痙攣の治療にも用いられます。
危険性
クレアは筋肉の機能を失わせても意識や感覚は残ります。そのため、被害者は自分が動けず、痛みを感じながらも助けを求められないという恐ろしい状態に陥ります。
