仙腸関節機能障害の治療
仙腸関節(SI関節)は、仙骨と腸骨をつなぐ関節です。背骨はこの関節を介して骨盤と連結し、体重を支えます。肥満や炎症、関節リウマチ、ホルモン変化などが原因でSI関節に痛みが生じることがあります。
ホルモンによる痛み
妊娠や月経周期の際、SI関節の靭帯は緩むようにプログラムされています。靭帯が過度に緩むと炎症が起き、妊娠や月経後に元に戻らないことがあります。その結果、仙腸関節周辺だけでなく、腰部・臀部・大腿部に痛みが放散します。医師による診断では、レントゲン、CT、MRI などで他の疾患を除外します。
診断と治療法
- 注射診断・治療
局所麻酔薬(リドカインやノバカイン)とステロイド(コルチゾン)を混合した注射をSI関節に行い、痛みが軽減すれば関節が原因と判定できます。注射は最大36か月まで継続可能で、X線ガイダンスが必要です。
- 経口抗炎症薬
処方用イブプロフェンなどのNSAIDsは、定期的な来院が不要で長期使用が可能です(他の疾患がない限り)。
- 理学療法
関節の可動域が過剰または不足している場合、理学療法士がストレッチや安定化エクササイズを指導し、関節のサポートと疼痛緩和を図ります。
- SIベルト
ホルモン変化で靭帯が緩む患者には、骨盤周囲に巻くSIベルトを使用して関節を固定し、痛みを軽減します。
外科的治療
- 神経削減術
神経が摩擦や炎症で刺激されている場合、神経終末を削り、刺激を減少させます。
- 関節固定術(融合手術)
神経が原因でない場合、軟骨を除去し、スクリューやプレートで骨を固定して仙腸関節を融合させます。骨が癒合するまで数か月かかり、最終的に金属が取り除かれます。これは最終手段とされます。
