脳室周囲白質疾患について

解剖学

カナダ保健研究所によれば、脳は灰白質と白質の二種類の組織から構成されています。灰白質は脳の最外層や脊髄を覆い、多数のニューロンが集まっています。一方、白質はニューロン間の情報伝達を高速かつ効率的に行う軸索が集まる領域です。

Medfriendly.com は、脳室周囲白質(periventricular white matter)を側脳室を取り囲む白質と定義しています。Bryn Mawr College のサイトによれば、前頭葉、後頭葉、頭頂葉、側頭葉など、各大脳半球の領域が脳室周囲白質に含まれます。また、Penn State Children’s Hospital は「上小脳蓋(supratentorial)」を大脳皮質が位置する上部領域、対して小脳が位置する下小脳蓋(infratentorial)領域と区別しています。

ビンスワンガー病

脳室周囲白質の変化は加齢によるものと見なされることもありますが、ビンスワンガー病など特定の疾患が原因である場合もあります。MedFriendly は、ビンスワンガー病を認知症を伴う疾患と説明しています。米国国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS)によれば、この病は脳の動脈硬化を引き起こし、結果として脳細胞の死滅につながります。症状は運動失調、記憶障害、気分障害などが徐々に悪化します。

CADASIL(カダシル)

CADASIL は「cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy」の略で、脳の動脈に遺伝性の疾患です。MedFriendly は、脳室周囲白質の変化がこの疾患と関連すると述べています。遺伝子情報サイト Genetics Home Reference によれば、主な合併症は偏頭痛や脳卒中です。

多発性硬化症(MS)

Blake A. Johnson の白質疾患に関する分析によると、多発性硬化症患者の MRI 画像には脳室周囲白質に病変が見られることが多いとされています。また、児童期に発症するシラー病は、多発性硬化症の変異形として位置づけられることがあります。

治療法

現時点で白質疾患全般に対する根本的な治療法は確立されていません。ビンスワンガー病に対しては、NINDS が生活習慣の改善による動脈硬化の予防・進行抑制を推奨しています。CADASIL については、NCBI Gene Reviews が感情的・実務的サポートを中心とした対症療法を提案しており、研究は継続中です。

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