食べ物や飲み物を誤って肺に吸い込むと何が起こるか
肺は私たちの生命に不可欠ですが、外部からの異物が入りやすい脆弱な器官でもあります。食べ物や飲み物、嘔吐物などが誤って肺に吸い込まれると、酸素供給が妨げられ、様々な健康リスクを招きます。
誤嚥による窒息
このタイプの誤嚥はまれですが、酔っ払いや事故で身体が動かせない状態など、意識が低下したときに起こります。嘔吐した内容物を口や気道から除去できないため、本人は自らの嘔吐物で窒息してしまいます。ジミ・ヘンドリックスやAC/DCのボン・スコット、レッド・ツェッペリンのスティーブ・ボーンハムなどが有名な例です。主に薬物やアルコールの使用と関連しますが、アルツハイマー病や昏睡状態などで嚥下機能が低下している人でも起こり得ます。
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎は、食べ物や飲み物などの異物が肺に吸い込まれることで肺や気道に炎症が起きる状態です。肺膿瘍や咳、呼吸困難といった症状を伴い、重篤な場合は肺炎と診断されます。誤嚥は全身麻酔の副作用、乳幼児の摂食障害、誤嚥による窒息などが原因となります。
誤嚥と慢性肺疾患
胃食道逆流症(GERD)患者は、異物が肺に誤嚥されるリスクが高くなります。特に胃酸や胆汁が肺に入ると、強い酸性が炎症を引き起こし、肺組織を損傷します。その結果、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性肺疾患を併発しやすくなります。
肺組織の穿孔
肺組織が穿孔するケースは極めて稀ですが、硬い骨や魚の骨、ナッツの殻など鋭利なものが誤嚥されると、肺壁を突き破り体内に留まることがあります。時間が経つと喉や気道に異物感を覚え、痛みが強くなると医師の診察で発見されます。放置すると異物がさらに肺組織に埋まり、重篤な感染症を引き起こす危険があります。
