SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の概要と主な使用目的
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、うつ病や不安障害などの精神疾患の治療に広く用いられる薬剤です。セロトニンの再取り込みを阻害することで脳内のセロトニン濃度を高め、気分・食欲・睡眠などを調整します。また、線維筋痛症や更年期障害のホットフラッシュ(ほてり)にも効果が報告されています。
うつ病
うつ病の主な症状は悲しみやエネルギー低下です。米国国立精神衛生研究所(NIMH)によると、成人の約9.5%が1年間にうつ状態を経験します。2000年の『Journal of Clinical Psychiatry』の研究では、SSRIのシタロプラムがプラセボに比べて有意に症状改善したことが示されています。
不安障害
不安障害の患者は過度な心配や恐怖を抱きやすく、米国人口の約18%が何らかの不安障害を抱えているとされています。1998年の『Journal of the American Medical Association』の研究では、SSRIのパロキセチンが不安障害の治療に有効であることが報告されています。
外傷後ストレス障害(PTSD)
PTSDは重大な外傷体験後に発症し、睡眠障害や気分変動、フラッシュバックなどが見られます。NIMHのデータによると、米国で年間約3.5%がPTSDを経験します。2001年の『American Journal of Psychiatry』では、パロキセチンがPTSDの有効な治療薬であると報告されています。
その他の用途
近年、SSRIは線維筋痛症(筋肉痛・倦怠感・圧痛点を伴う慢性疼痛)や更年期障害のホットフラッシュの治療にも用いられています。2001年の『American Journal of Medicine』の研究では、フルオキセチンが線維筋痛症の圧痛を軽減することが示され、2006年のJAMAではエストロゲン補充を望まない女性に対し、SSRIがホットフラッシュ緩和に有効であると報告されています。
