うつ病の最新治療法

うつ病は心身に深刻な影響を及ぼす疾患で、食事・睡眠・行動・対人関係に至るまで日常生活全般に支障を来します。米国では年間1900万人以上がうつ病と診断され、継続的な治療が必要とされています。近年、科学者や精神科医は臨床うつ病や気分障害に対する新しい有効な治療法を次々と明らかにしています。

迅速作用型抗うつ薬

2007年に米国国立精神衛生研究所(NIMH)がオンラインで発表した研究では、ケタミンを投与した被験者のうつ症状が数時間で改善したと報告されています。従来の抗うつ薬は効果が現れるまで数週間から数か月要するのに対し、ケタミンは即効性が期待できる点が注目されています。副作用の懸念から臨床使用は限定的ですが、同様の速効性を持つ新薬開発のヒントとなっています。

認知療法(CBT)

2007年に実施されたNIMH資金提供の「STAR*D」試験では、薬物療法が効果を示さなかった患者に対し認知行動療法(CBT)を追加・切替えることで、薬の変更と同等の改善が得られることが示されました。効果が現れるまでに時間はかかりますが、薬物治療の代替手段として有望視されています。この結果は同年5月号の『American Journal of Psychiatry』に掲載されました。

電話療法

2007年3月に行われた大規模健康調査では、中等度から重度のうつ症状を持つ被験者が電話を利用した心理療法(10〜12回)を受けると、従来の対面治療のみを受けたグループに比べて症状の改善が顕著であることが確認されました。効果は最終セッション後6か月以上持続したと報告され、結果は『Journal of Consulting and Clinical Psychology』に掲載されました。

薬剤設計・併用療法

抗うつ薬自体は新しい治療法ではありませんが、投与スケジュールや併用薬の工夫により効果が向上することが示されています。NIMHの研究では、単独の抗うつ薬で十分な改善が得られなかった患者の約3人に1人が、第二の薬剤を追加することで症状が消失したと報告されました。この成果は2006年3月23日付『The New England Journal of Medicine』に掲載されています。

迷走神経刺激(VNS)

VNSは神経伝達物質や中枢神経系の活動を調整し、気分障害の改善を目指す治療法です。2005年の『Biological Psychiatry』掲載研究では、従来治療のみを受けた124名と、VNSと併用した205名を比較した結果、1年後にVNS併用群の27%が有意な改善を示したのに対し、従来治療群は13%にとどまりました。

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