前庭障害とうつ病

前庭障害とは

めまい、回転感、軽い頭のふらつき、耳鳴りや耳の違和感など、前庭系の障害は多様な症状で現れます。前庭障害は内耳の疾患や奇形、あるいは脳幹と内耳をつなぐ核の異常が原因となることが多く、患者は回転感、落下感、浮遊感、揺れ感、あるいは周囲が不自然に動いているように感じます。これが「めまい(ヴァーティゴ)」です。重度の場合、日常生活が著しく制限されます。

うつ病

うつ病は、悲しみや興味喪失、自己価値感の低下を特徴とする情緒障害です。前庭障害による生活の質低下は、うつ状態を引き起こすことがあります。逆に、既存のうつ病がある人は前庭症状が悪化しやすいという研究報告もあります。

不安障害

不安はある程度は正常ですが、日常生活に支障を来すほどになると障害となります。何が起こるかという恐れから外出を控え、活動が制限され、人間関係でも警戒心が強くなります。前庭障害の患者は転倒や判断ミスのリスクがあるため、自然に不安を感じやすく、既存の不安障害が症状を悪化させることが報告されています。

認知症状と前庭障害、うつ病の関係

前庭障害協会(VEDA)によると、前庭障害患者は記憶力低下、集中力の欠如、情報の順序付け困難といった認知的問題を抱えやすいとされています。これらの認知症状は身体的症状と同程度に生活を妨げ、うつや不安をさらに悪化させます。

治療法

前庭障害と併発するうつや不安には、フルオキセチンなどの抗うつ薬が有効な場合があります。また、認知行動療法により情報処理や記憶の戦略を学び、症状の管理が可能です。前庭障害そのものを受容しつつ、精神的な苦痛に屈しないためのサポートが重要です。

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