概要

レクサプロとゾロフトは、うつ病や不安障害の治療に用いられる選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)です。作用機序や副作用、離脱症状は似通っていますが、個人の化学的特性やうつの原因によって、どちらがより適しているかは異なることがあります。

歴史

レクサプロはフォレスト・ラボラトリーズが開発し、2002年に米国食品医薬品局(FDA)で承認されました。有効成分はエスシタロプラムで、以前はシンバイオティック社の薬剤シトロプラム(商品名:Celexa)の構成要素として利用されていました。レクサプロはうつ病だけでなく、強迫性障害(OCD)や全般性不安障害の治療にも用いられます。

ゾロフトはファイザーが開発し、1991年にFDAで承認されました。有効成分はセルトラリンです。ゾロフトもうつ病、OCD、全般性不安障害に適応しています。

有効性(エフィカシー)

臨床試験では、レクサプロとゾロフトはどちらも高い効果を示しています。平均的には似たような反応が得られますが、個人差が大きく、ある患者はレクサプロに、別の患者はゾロフトにより良い反応を示すことがあります。これは、各薬剤がセロトニン濃度に与える微妙な影響の違いによるものです。最適な薬剤は実際に服用してみて判断するしかありません。

副作用

共通する副作用として、軽度の眠気、睡眠障害(不眠)、吐き気、性機能障害が挙げられます。稀に、アカシジア(内部の筋肉が落ち着かない感覚)や、レストレスレッグ症候群に似た症状が報告されています。多くの副作用は投薬開始時や用量変更時に一時的に現れ、時間とともに軽減しますが、患者ごとに出方や程度が異なるため、どちらか一方で強く出ることもあります。

離脱症状(中止時の影響)

SSRI全般に共通する離脱症状が見られ、レクサプロ・ゾロフトともに例外ではありません。主な症状は感情の急激な変動や「ブレインザップ」(頭がチクチクする感覚)です。薬剤の中止は、医師の指導のもとで徐々に減量することが推奨され、急激に止めると離脱症状が悪化する可能性があります。

統計データ

2007年時点で、ゾロフトの処方件数は約2,800万件、レクサプロは約1,800万件と報告されています。処方件数の違いは、市場投入時期やマーケティング、適応症の差など多くの要因によるもので、どちらを選択すべきかの直接的な指標にはなりません。