糖尿病患者のための適切なフットケアガイド
糖尿病患者が医療機関を受診する主な理由のひとつが足のトラブルです。糖尿病は足の神経を障害する糖尿病性ニューロパチーや、血流が悪くなる末梢血管疾患を引き起こし、痛みや熱・冷感が感じにくくなり、傷が治りにくくなります。こうした状態は足に深刻な損傷をもたらすため、日々のセルフケアが極めて重要です。
感染を招く足のトラブル
- 靴下なしやサイズの合わない靴を履くと、同じ箇所が擦れて水ぶくれができやすくなります。
- 同じ部位に圧力がかかり続けると、角質やたこが厚くなります。
- 爪の切り方が不適切だったり、靴がきつすぎると巻き爪が生じます。
- 水虫などの真菌感染は皮膚を割れさせ、感染リスクを高めます。
- 神経障害と血流不全により足が乾燥し、ひび割れが起こりやすくなります。
足の状態に関する代表的な疾患
- ハンマートゥ:神経障害で筋肉が弱まり、腱が短縮して指が下向きに曲がります。
- 足底イボ:ウイルスが原因で足裏にできるイボです。
- 外反母趾:母趾基部の骨間部が拡大し、足の形が変形します。
予防と対策
- 毎日、足の水ぶくれ、たこ、傷、腫れ、色の変化をチェックする。
- 温かい流水で足を洗い、しっかり乾かす。
- 乾燥が目立つ場合は保湿クリームで保湿する。
- 入浴後にやすりでたこや角質を優しく削る。
- 爪は柔らかいうちに週に一度は切り、爪先は丸く整える。
- 裸足は絶対にやめ、足に合った靴下と靴を常に履く。
- 定期的に医師に足のチェックを受ける。
糖尿病用シューズとインソール
- 足の形状や痛みが変化した糖尿病患者向けに、足にやさしくフィットする特別なシューズがあります。
- 費用が高額になることが多いため、代替として足底に負担を軽減する整形外科用インソール(オーソティック)を検討するのも有効です。
- 保険でカバーされるケースもありますが、1生涯で1足だけと制限されることが多いため、事前に保険会社へ確認してください。
血糖コントロールの重要性
- 足の健康管理の根幹は血糖値を安定させることです。高血糖や血糖の変動は神経障害と血管障害を悪化させ、感染が起きた際には糖が病原菌のエサとなり症状が拡大します。
- 低GI食品(野菜、果物、たんぱく質、全粒穀物、低脂肪乳製品)を中心にバランスの取れた食事を心がけましょう。
- 体重管理と、足に負担の少ない水泳、サイクリング、ヨガなどの非衝撃運動を取り入れる。
- 喫煙は血管をさらに狭め、糖尿病全般の合併症を悪化させるため、禁煙が必須です。
