1型・2型糖尿病の治療に用いられる薬
米国疾病予防管理センター(CDC)の統計によると、糖尿病患者の約12%がインスリンと経口薬を併用し、57%が経口薬のみで血糖コントロールを行っています。経口薬は主に食事療法や運動療法だけで血糖管理が難しい2型糖尿病患者に用いられますが、一部は1型糖尿病患者にも併用されることがあります。
1型糖尿病の治療
現在、米国食品医薬品局(FDA)は1型糖尿病患者向けの経口血糖降下薬を承認していません。そのため、1型患者はインスリン注射が必須です。注射用インスリンは体内で自然に分泌されるインスリンと同等の働きをし、血糖を細胞に取り込ませます。
インスリンの種類
- ボーラスインスリン(食事時インスリン):食事に伴う血糖上昇を抑えるために使用します。速効型と短時間型があります。
- ベーシルインスリン(基礎インスリン):食事以外の時間帯や夜間の血糖を安定させるために投与します。長時間型と中間型があります。
- プレミックスインスリン(混合型):ボーラスとベーシルを一定比率で配合したものです。一般的な配合は70/30、75/25、50/50などで、数字はそれぞれボーラスとベーシルの割合を示します。
2型糖尿病の治療薬
2型糖尿病では、食事・運動療法に加えてさまざまな経口血糖降下薬が用いられます。主な薬剤クラスは以下の通りです。
ビグアナイド系とスルホニルウレア系
- ビグアナイド系(メトホルミン):肝臓での糖産生を抑制し、インスリン感受性を高めます。腎機能や肝機能に障害がある患者には使用できませんが、2型糖尿病の第一選択薬として広く用いられています。
- スルホニルウレア系(グリベンクラミド、グリピジドなど):膵臓のβ細胞からインスリン分泌を促進します。メトホルミンと併用することもあり、多くの患者で血糖降下効果が期待できます。
チアゾリジン系とDPP-4阻害薬
- チアゾリジン系(ピオグリタゾン/商品名:Actos):インスリン抵抗性を改善し、細胞がインスリンに応答しやすくします。ただし、心不全や体重増加などの副作用が報告されているため、医師とリスクを十分に相談する必要があります。
- DPP-4阻害薬(シタグリプチンなど):膵臓からのグルカゴン分泌を抑制し、インスリン分泌を間接的に増加させます。血糖の過度な低下リスクが低く、比較的安全に使用できる薬剤です。
医師は患者個々の状態や生活習慣を考慮し、最適な薬剤と投薬スケジュールを組み立てます。適切な治療と自己管理により、血糖コントロールを維持し合併症の予防が可能です。
