長期的な高血糖がもたらす影響

血糖(グルコース)とは

血液中の糖は医学的に「グルコース」と呼ばれます。膵臓はインスリンというホルモンを分泌し、血糖を全身の細胞へ運んでエネルギーに変換します。インスリンの分泌が不足したり、インスリンに対する抵抗性が生じると血糖が上昇し、糖尿病の状態になります。

一般的に空腹時血糖は70〜100 mg/dLが正常とされます。100〜125 mg/dLは前糖尿病とみなされ、追加検査が推奨されます。126 mg/dL以上は糖尿病と診断される基準です。食後でも血糖が200 mg/dLを超えることは避けるべきで、140〜199 mg/dLは食後の前糖尿病領域です。

糖尿病性網膜症(Diabetic Retinopathy)

長期間にわたる高血糖は、眼底の細小血管を脆弱にし、出血や閉塞を引き起こします。結果として網膜が損傷し、視力低下や失明に至ることがあります。糖尿病を10年以上患っている人の約8割が網膜症を経験します。早期に眼科で検査を受ければ、進行を抑え視力を保つことが可能です。

糖尿病性腎症(Diabetic Nephropathy)

高血糖が腎臓の毛細血管を傷つけ、徐々に腎機能を低下させます。最終的に腎不全に至り、透析が必要になるケースが多数です。現在のところ根本的な治療法はなく、透析が唯一の対処法ですが、成功率は限られています。

糖尿病性足病変(Diabetic Foot)

血糖コントロールが不十分だと神経障害と血管障害が同時に起こり、足や下肢の感覚が鈍くなります。その結果、傷ができても気付かず、感染や壊疽(がんぬり)に発展しやすく、最悪の場合は切断が必要になります。

糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)

インスリンが極端に不足すると、体はエネルギー源として脂肪を分解し、ケトン体が血中に蓄積します。ケトン体は血液のpHを下げ、酸性状態(アシドーシス)を引き起こします。放置すると肝臓や筋肉、脳に深刻な障害をもたらし、致命的になることがあります。

糖尿病性昏睡(Diabetic Coma)

血糖が極端に高くなると、体は意識を失う状態に陥ります。DKAが進行すると昏睡に至ることがあります。早期に医療機関で点滴やインスリン投与を受ければ回復可能ですが、適切な処置が遅れると致命的です。

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