症状

  • 急性腸虚血(デッドボウル)は、腸への血流が急激に遮断されることで、腹部の軽度から重度の痛み、血便、頻繁で緊急性のある排便が見られます。慢性腸虚血は、長期間にわたって血流が低下することで、食後の腹部痙攣、体重減少、数週間にわたって増悪する腹痛などが現れます。

原因

  • ヘルニアによる腸のねじれや移動、過去の手術後にできた瘢痕組織が腸を閉じ込めることが原因となります。また、血栓やコレステロール沈着による動脈閉塞、がん・肝疾患・凝固障害を持つ患者で静脈が閉塞し、腸に血液が逆流することもあります。

検査

  • 医師はX線で腸周囲の状態を確認し、超音波で血流低下を評価します。大腸内視鏡(コロノスコピー)では、細いカメラ付きチューブを肛門から挿入し、結腸内部の詳細画像を取得できます。

治療

  • 主に外科手術で動脈の閉塞部を迂回したり、血栓を除去したりします。壊死組織を切除し、残存した結腸を再接続することも行われます。血管内治療(アンジオプラスティ)でステントを留置し血流改善を図ることや、抗凝固薬・血管拡張薬・血栓溶解薬の投与も併用されます。

合併症

  • 腸の血流遮断により瘢痕組織が増殖し、腸管が狭窄することがあります。過剰な瘢痕は外科的に除去されます。また、壊死した腸管を切除した結果、残存する健康腸が不足し、人工肛門(ストーマ)が必要になることがあります。ストーマ手術では、腸の一部を腹壁の開口部に接続し、排泄物は専用バッグに収集されます。