新生児黄疸の治療―フェノバルビタールから光療法へ
フェノバルビタールはかつて新生児黄疸の治療に使用されていましたが、1950年代以降は光療法に取って代わられました。本稿では黄疸の概要と治療の変遷、現在の標準治療について解説します。
黄疸とは
新生児黄疸は血中のビリルビンが蓄積することで起こります。肝臓の機能が未熟なためビリルビンの処理が追いつかず、皮膚や眼球が黄色く変色します。
フェノバルビタール使用の背景
フェノバルビタールは肝機能を高める作用があるため、ビリルビン代謝を促進し黄疸を改善すると期待されました。しかし、光療法の導入により標準治療から外れました。
現在の主な治療法
軽度の黄疸は授乳回数を増やすだけで自然に改善することが多いです。ビリルビン値が上昇し続ける場合は光療法が行われます。
光療法では特定の波長の光を赤ちゃんに照射し、皮膚に吸収された光エネルギーでビリルビンを分解・排泄させます。
重症例の対応
ビリルビン値が危険なほど高い場合は交換輸血や静脈内免疫グロブリン投与が検討されます。
その他の可能性
フェノバルビタールは肝機能を向上させるため、出産直前に母親へ投与して新生児黄疸を予防するという試みもありますが、十分なエビデンスは得られていません(2007年のCochraneレビュー)。
