クローン病の主な症状と合併症
クローン病は自己免疫性の炎症性腸疾患で、口から肛門までの消化管のどこにでも炎症が起こります。全身に関与する合併症も頻繁に見られます。
主な症状
下痢や腹部の痙攣、血便、腸や口腔内の潰瘍、食欲減退・体重減少が典型的です。発熱や慢性的な倦怠感を伴うこともあります。関節炎、皮膚障害、眼・肝臓・胆管の炎症など全身症状や、うつ病を合併するケースもあります。小児では成長障害が見られることがあります。
腸管狭窄(閉塞)
潰瘍が瘢痕化すると腸が狭くなり、狭窄部位(ストリクト)で食物の通過が妨げられます。部分的な閉塞は自然に改善することもありますが激しい痛みを伴います。完全閉塞の場合は手術が必要になることがあります。病変部位を切除する手術は再発性閉塞の予防につながります。
裂肛・瘻孔
裂肛は肛門周囲の皮膚が裂けることで、排便時に痛みと出血を伴います。深い潰瘍からは瘻孔(フィスタル)が形成され、腸と他臓器や皮膚表面とを結ぶトンネルができます。瘻孔は膿瘍や感染を引き起こし、例えば腸と膀胱を結ぶ瘻孔は繰り返す尿路感染の原因となります。
栄養障害
疼痛や痙攣により食欲が低下し、さらに腸が栄養を十分に吸収できなくなるため、栄養不良に陥りやすいです。特に小腸が病変部位の場合や小腸切除術後はビタミンB12、鉄、ビタミンD、カルシウムなどの欠乏が頻繁に見られます。
診断と留意点
クローン病は慢性疾患で診断が難しく、根本的な治療法はありません。潰瘍性大腸炎と症状は似ていますが、潰瘍性大腸炎は大腸に限局します。内視鏡・大腸鏡検査、バリウム造影、病理診断など複数の検査結果を総合して診断します。
