バレット食道の治療と管理

食道は胃と喉をつなぐ消化管で、内側は扁平上皮(粘膜)で覆われています。ここに本来は平らな細胞が、酸逆流などの刺激で立方形に変化すると、食道全体にわたって異常な細胞が広がります。この状態をバレット食道(Barrett's Esophagus)と呼びます。放置すると、がん前段階の異常細胞が食道がんへと進行する可能性があります。

予防

  • バレット食道の正確な原因は不明ですが、胃酸逆流(GERD)が大きく関与すると考えられています。胃酸を抑える薬剤や食生活・生活習慣の改善により、食道へのダメージを減らすことが予防につながります。

症状

  • バレット食道は多くの場合無症状です。そのため、本人が気付かないことが多いです。胸焼けや嚥下困難、喉の違和感、咳、呼吸困難などの酸逆流症状がある場合は、バレット食道の可能性も考慮すべきです。

診断

  • 無症状であるため、医師による検査が必要です。内視鏡で食道を観察し、赤く変色した粘膜を確認します。必要に応じて組織を採取し、生検で確定診断を行います。

治療

  • 軽度のバレット食道は特に症状が出ない限り経過観察とし、胃酸抑制薬で基礎疾患を管理します。異常粘膜自体を除去する確立した治療法はまだありませんが、異常細胞を焼灼(RFA)したり、薬剤で正常上皮の再生を促す研究が進められています。2023年時点では臨床試験段階です。

異形成(ディスプラジア)への対処

  • バレット食道が進行すると、前がん状態の異形成が生じます。低度異形成は経過観察が主ですが、高度異形成は食道粘膜の焼灼、強力な酸抑制薬併用、または食道全摘術が検討されます。特に高度異形成は約50%が食道がんに進行するため、積極的な治療が推奨されます。

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