クローン病の平均余命と対策
クローン病は消化管が炎症を起こす炎症性腸疾患で、腹痛や下痢を伴います。炎症が組織深部まで及ぶと激しい痛みや生命に危険が及ぶことがあります。根治はありませんが、適切な治療により症状をコントロールし、寛解を得ることが可能です。
症状
- 下痢は最も一般的な症状で、1日に12回以上の排便になることもあり、仕事や睡眠に支障を来します。
- 腸の炎症と肥厚により腹部の痙攣や痛みが生じます。
- 炎症した腸からの出血により便に血が混じることがあります。
- 疲労感、食欲の変化、体重減少もよく見られます。
- 症状が全く出ない寛解期間がある人もおり、再発すると症状が戻ります。
診断
- まず血液検査で感染や貧血の有無を確認します。
- 次に大腸内視鏡(コロノスコピー)で組織サンプルを採取し、腸内の異常を直接観察します。
- CTスキャンは腸外の組織まで詳細に映し出し、診断の補助となります。
- 診断が確定すれば、ほとんどの患者は生涯にわたり病気と向き合うことになりますが、適切な薬物療法と食事管理により寿命への影響は最小限に抑えられます。
治療
- 根治はないため、抗炎症薬や免疫抑制薬、場合によっては外科手術が必要です。
- スルファサラジンなどの抗炎症薬は長年使用されていますが、吐き気・嘔吐・頭痛などの副作用があります。スルファ系アレルギーの人は使用できません。
- ステロイドは炎症を短期間で抑えますが、顔のむくみ・不眠・多動・夜間の発汗などの副作用があります。
- 抗生物質は腸内の有害菌を減少させ、症状緩和に役立ちます。
- 免疫抑制剤も症状が重い場合に処方されます。
- 薬物療法が効果を示さない場合、外科手術で損傷した腸や瘢痕組織を切除します。
生活上の工夫
- 食事の見直しは症状軽減に効果的です。乳製品は控えるか、乳糖分解酵素(例:ラクトエイド)を使用すると消化しやすくなります。
- 脂肪分が多い食品や、豆類・ブロッコリー・キャベツなどガスを発生しやすい食材は避けましょう。
- 繊維質が豊富な食事が症状を和らげる人もいます。
- 下痢時は水分補給をしっかり行い、脱水を防ぎます。
- 一度に大量に食べるのではなく、少量ずつ頻回に食べると腸への負担が減ります。
サポート
- クローン病は身体だけでなく精神面にも負担をかけます。米国クローン病・潰瘍性大腸炎財団(CCFA)などの団体は、地域のサポートグループや最新の情報提供を行っています。
- 同じ病気を抱える仲間と交流することで、精神的な支えを得られるでしょう。
