キャメロン潰瘍の症状・原因・診断・治療法

キャメロン潰瘍は、1986年に初めて報告された食道裂孔ヘルニアに常に合併する潰瘍です。重篤化すると致命的になることもあり、消化器系の検査時に必ず考慮すべき合併症です。診断後は適切な治療により健康リスクを軽減できます。

概要

食道裂孔ヘルニアは、胃が食道の開口部へ突出する状態です。小さなヘルニアはほとんど症状がなく、本人が気付かないことが多いですが、ヘルニアが大きくなると食物や胃酸が食道へ逆流し、胸焼けや胸痛などさまざまな問題を引き起こします。その合併症のひとつがキャメロン潰瘍で、胃のひだに沿って線状に形成される浅い潰瘍です。通常は出血せず表面が薄いですが、時間とともに炎症を起こすことがあります。

頻度

食道裂孔ヘルニア患者の約5%にキャメロン潰瘍が認められます。

原因

正確な原因は未解明ですが、過剰な胃酸、機械的刺激、または組織への血流不足(虚血)が関与していると考えられています。

症状

食道裂孔ヘルニアの主な症状は胸痛、胸焼け、吐き気、げっぷ、呼吸困難や嚥下障害などです。これらは心筋梗塞と類似するため、正確な診断が重要です。キャメロン潰瘍が重症化すると、胃出血を伴い慢性的な出血で鉄欠乏性貧血を引き起こすことがあります。極めて稀ですが、放置すると致命的な出血になる可能性もあります。

診断

内視鏡検査が最も有効です。細長い柔軟チューブ(内視鏡)を口から挿入し、光とカメラで食道・胃の粘膜を直接観察します。キャメロン潰瘍は非常に薄く微細なため、注意深く観察しないと見落とされがちです。

治療

胃酸が潰瘍を悪化させるため、酸抑制薬(制酸薬やプロトンポンプ阻害薬)が第一選択となります。併せて貧血予防のため鉄剤が投与されます。重度の出血がある場合は外科手術が検討されますが、通常は薬物療法で十分です。酸抑制薬と鉄剤の併用により、約6週間で潰瘍は改善し、症状は大幅に軽減します。

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