触覚過敏(タクタイル・ディフェンシブ)とは何か
触覚過敏(タクタイル・ディフェンシブ)は、障害を持つ子どもに多く見られる、触覚に対する過敏な反応です。軽い触れ合いでも強い不快感や怒りを示し、日常生活に支障をきたします。感覚統合の機能不全が主な原因と考えられています。
概要
作業療法士のジーン・エイアーズが提唱した感覚統合理論によれば、触覚・視覚・聴覚・動き・味覚といった感覚情報は脳の「栄養」となります。消化器系が食べ物を処理して体を養うように、脳は感覚情報を処理しなければなりません。感覚統合がうまく機能しないと、触覚過敏のような障害が生じます。
特徴
触覚過敏の子どもは、無害な触れ合いさえも脅威と感じ、常にストレス状態にあります。そのため、攻撃的になったり、引っ込み思案になったりしやすく、日常のルーティンが困難です。他者の友好的なタッチに対しても反発し、友人関係の構築が難しくなることがあります。
症状
- 特定の布地や服の質感しか許容できず、逆に特定の食感を嫌う。
- 髪や歯をブラッシングするなどの日常的なケアに抵抗を示す。
- 遊びの際、指先だけで物に触れるなど、触覚刺激を最小限に抑えようとする。
- 一方で、抱きしめや背中への圧迫など、強い圧力や深い触覚を求めることもある。
関連する問題
ダウン症候群、ADHD、ディスレクシア、自閉症スペクトラムなどの発達障害や学習障害に伴って現れることがあります。また、夜尿、睡眠障害、手と目の協調不全、消化器系の問題、不安などと併発することもあります。多くの場合、幼児期を過ぎると症状は軽減します。
治療法
感覚統合の機能を改善するための作業療法が中心となります。徐々に触覚刺激に慣れさせる「段階的露出」や、個々の子どものニーズに合わせた感覚統合療法を行います。作業療法士が子どもの状態に合わせてプログラムを設計し、触覚情報の処理能力を高め、回避行動を減少させます。
