地図舌(Geographic Tongue)
良性遊走性舌炎とも呼ばれ、舌の表面に赤い斑点が地図のような模様を描くのが特徴です。主に舌の表面と側面に現れ、口内全体に広がることもあります。ほとんど症状はなく、変色程度で済むことが多いですが、圧痛や灼熱感を伴うことがあります。その場合はステロイド系うがい薬などの局所治療で緩和できます。感染性はなく、他人へ伝染することはありません。
黒毛舌(Black Hairy Tongue)
舌乳頭が過剰に成長し、表面に黒く濃い色がつく状態です。舌乳頭は生涯にわたって伸び続けますが、通常は食事やブラッシングで自然に削れます。これが十分に削れないと異常に伸長し、細菌が繁殖しやすくなるため、黒変します。口腔衛生が不十分な人に多く見られます。改善策は、舌ブラシや柔らかいブラシで舌を清掃し、定期的に歯科医を受診することです。
口腔灼熱症候群(Burning Mouth Syndrome)
舌や口内が焼けるような感覚と味覚低下、腫れ感が現れる疾患です。感染性はなく、他人へ移ることはありません。主に閉経前後の女性に多く、男性でも10〜20%の症例が報告されています。原因は明確ではありませんが、栄養欠乏やホルモンバランスの変化、ストレスなどと関連しています。対策としては、ビタミン・ミネラルの補給、ストレス管理、場合によっては薬物療法が用いられます。
単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)
ヘルペスウイルス1型は、舌に赤く腫れた潰瘍を生じさせることがあります。潰瘍は白や緑がかった被膜を伴うこともあります。完治薬はありませんが、抗ウイルス薬や疼痛緩和薬で症状は数日から数週間で改善します。唾液を介したキスや共有食器で簡単に感染し、家族内で遺伝的に広がることがあります。感染した場合は、刺激の強い食べ物や酸性・塩分の高い食品を控えると症状が軽減します。
注意点
上記の舌疾患は概ね軽度で、特別な治療を必要としないケースが多いですが、食事や生活習慣が症状を悪化させることがあります。
- 地図舌の場合は、辛味や酸味の強い食品を避け、ステロイドうがい薬で1日2〜3回うがいを行いましょう。
- 黒毛舌は、舌の清掃と口腔衛生の徹底が予防の鍵です。
- 口腔灼熱症候群は、ビタミン・ミネラルの補給やストレス管理が効果的です。
- HSV-1感染時は、過度に塩辛い食品や柑橘系の酸味の強い食品を控えてください。
