クッシング症候群の鑑別診断

クッシング症候群は、過剰なコルチゾールが長期間にわたって体内に存在することで起こる内分泌疾患です。薬剤性と内因性の2タイプがあり、主に20〜50歳の成人に多く見られます。

症状

  • 典型的な症状として、ピンクや紫色のストレッチマーク、丸みを帯びた顔、肩甲骨間の脂肪の隆起(ムーンフェイス)があります。その他、上半身中心の肥満、首や肩の脂肪増加、皮下出血が起きやすくなる、血圧上昇、血糖値上昇、頻尿・多飲、顔面紅潮、性欲低下、頭痛、骨粗鬆症、にきびが報告されています。

    女性では月経不順や首・背中・胸・顔への過剰な体毛(多毛症)も見られます。男性では勃起不全や精子形成低下がみられることがあります。小児では成長遅延と肥満が特徴的です。

鑑別が必要な他の疾患

  • クッシング症候群と類似した症状を呈する疾患として、以下が挙げられます。

    ・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)― 体重増加、月経異常、過剰体毛、インスリン抵抗性

    ・メタボリックシンドローム― 中央肥満、高血圧、高コレステロール、インスリン抵抗性

    ・アルコール依存症やうつ病― 体重変化や血圧・血糖異常を伴うことがある

    これらの背景を踏まえ、医師は問診・身体診察に加えて血液・尿検査を実施し、正確な診断を行います。

診断方法

  • 最も信頼性の高い検査の一つは、低用量デキサメタゾン抑制試験です。デキサメタゾン(合成糖質コルチコイド)を6時間ごとに2日間投与し、試験中に尿を採取してコルチゾール濃度を測定します。深夜(0時)に血中コルチゾールが50 nmol/L(約1.8 µg/dL)を超える場合、クッシング症候群が疑われます。

追加の診断検査

  • 鑑別診断が必要な場合、以下の検査が併用されます。

    ・24時間尿遊離コルチゾール測定― 1日あたり50〜100 µg 超えると陽性

    ・深夜唾液コルチゾール測定― 夜間のコルチゾール上昇を評価

    ・深夜血漿コルチゾール測定― 50 nmol/L 超えるとクッシング症候群の可能性

    ・CRH(デキサメタゾン-副腎皮質刺激ホルモン)テスト― 偽クッシング症候群との区別に有用

診断・治療上の留意点

  • 早期に診断すれば、原因に応じた治療でコルチゾール産生を正常化し、症状の改善が期待できます。リスクがある方は、定期的に医師と相談し、必要に応じて検査を受けることが重要です。

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