成人の神経芽細胞腫(ネオブラストーマ)
神経芽細胞腫は小児に多く見られるが、成人での発症は極めて稀である。成人では診断が遅れがちで、予後は不良なため、積極的な治療が必要となる。主に交感神経系に起因し、副腎付近に発生することが多いが、脊椎、胸部、骨盤、腹部、大腿部、頸部などにも浸潤・転移することがある。
原因
神経芽細胞は胎児期に形成される未成熟な神経細胞で、通常は成熟して消失するが、成熟せず残存した細胞が増殖し腫瘍(神経芽細胞腫)を形成する。直接的な原因は不明で、家族性の遺伝要因が関与する可能性もあるが、必ずしも遺伝するわけではない。
症状
成人の症状は腫瘍の部位と大きさにより多様で、子供に比べて持続期間が長い。腹部に腫瘍がある場合、他臓器を圧迫して便秘や頻尿、腹部膨満感、疼痛、下肢浮腫、肝腎機能障害(黄疸や腹水)を引き起こすことがある。胸部腫瘍は呼吸困難や顔面浮腫を伴う。その他、体重減少、下痢、発熱、骨・背部疼痛、眼瞼周囲の瘀血、眼球突出、血圧・脈拍上昇、筋力低下や麻痺などもみられる。
診断手順
まず血液検査と尿検査で基礎情報を収集し、続いてX線、CT、MRI、超音波などの画像診断で腫瘍の位置と範囲を確認する。転移が疑われる場合は骨シンチグラフィーを実施。腫瘍が確認されたら生検により組織診断を行い、骨髄生検で転移の有無を調べる。神経芽細胞腫と確定したら、腫瘍の大きさと転移範囲に基づきステージ(Ⅰ〜Ⅳ)を設定する。
治療
成人患者には積極的な治療が求められ、化学療法、放射線療法、外科手術(腫瘍と転移リンパ節の切除)を組み合わせる。必要に応じて骨髄移植も検討される。治療は副作用が強いため、栄養補助食品、ヨガや瞑想、鍼灸などの補完医療を併用し、身体的・精神的なサポートを受けることが重要である。
まとめ
成人で神経芽細胞腫と診断された場合でも、適切な情報収集と医療チームとの連携により治療の可能性は残されている。インターネットや地域の医療機関、患者団体を活用し、同じ病気を持つ仲間と支え合うことが治療への大きな力となる。
