慢性的なアルコール乱用の影響

身体への影響

長期間にわたる過度の飲酒は、脳や肝臓に深刻な障害をもたらします。アルコール依存症になると脳は萎縮し、解剖学的にも非飲酒者と比較して明らかな縮小が見られます。また、アルコールは肝臓でアセトアルデヒドという有害物質に変換され、これがサイトカインの過剰産生を引き起こし、肝細胞を損傷します。結果として肝硬変が進行し、肝機能が低下します。

事故リスクの増大

酔った状態での判断力低下や運動協調性の喪失により、交通事故や転倒などの事故が多発します。メリーランド大学医療センターの調査によれば、全交通事故の半数以上がアルコールと関係しており、若年ドライバーの死亡原因のトップとなっています。

家庭内暴力

アルコール依存者がいる家庭は、安定性や結束が損なわれやすく、対人関係の摩擦が増加します。飲酒による抑制の低下は家庭内暴力の直接的な原因とされ、子どもは虐待や目撃による心理的ダメージを受けやすく、女性はパートナーからの身体的危害を受けるリスクが高まります。また、アルコール依存者の成人した子どもは離婚や精神疾患のリスクが上昇します。

殺人・自殺

慢性的な飲酒は自殺者の約4割に関与しており、依存症が人間関係の崩壊や絶望感を助長します。さらに、全殺人事件の約67%でアルコールが主要因とされています。

他の依存症との併発

アルコール依存者はタバコや他の薬物への依存リスクが高く、研究ではニコチン依存とアルコール依存が相互に影響し合うことが示されています。その結果、肺疾患での死亡率が非依存者よりも高くなる傾向があります。

薬物依存 - 関連記事