前庭水道橋症候群(VAS)

前庭水道橋症候群(VAS、または大前庭水道橋症候群)は、聴覚障害の一形態です。内耳の前庭水道橋が拡大することで発症します。VASは、小児期のいずれかの時期に難聴を引き起こす代表的な内耳欠損のひとつです。前庭水道橋は前庭に沿って走る細い管で、側頭骨に囲まれています。

重要性

VAS(前庭水道橋症候群)は、内耳の成長遅延や不規則な発育によって生じる欠損の集合です。遺伝性ではなく、出生後の発育異常と関係していると考えられています。VASを持つ人は生まれつき聴力が低下しているわけではなく、時間とともに聴力低下が進行します。

診断

この症候群は予期せぬ難聴を引き起こすことがあります。CT検査で前庭水道橋が拡大していることが確認できればVASと診断されます。信頼性の高いCT画像により医師はVASの有無を判断でき、保護者は子どもの聴力が急激に低下する可能性を事前に知ることができます。これにより、適切な教育方針を検討する余地が生まれます。

原因

VASの原因はまだ十分に解明されていませんが、比較的新しい疾患であるため研究が進められています。医師は、内耳の構造が形成される幼少期に何らかの異常が起こり、耳が外傷や疾患に対して脆弱になることが発症の一因と考えています。頭部外傷による損傷もこの症候群の原因のひとつとされています。

症状

聴力低下が現れると、医師は前庭水道橋症候群を疑うようになります。この症候群は、気圧の変化、呼吸器感染、頭部外傷などがきっかけで顕在化することがあります。子どもは症状を言葉で説明しにくく、見逃されがちですが、バランス感覚に障害を来すことがあります。具体的には、ふらつきやめまいが生じることがあります。

治療

頭部への外傷を避けることが重要です。VASの患者は、接触スポーツや頭部への衝撃を伴う活動を控えるよう指導されます。現在のところ、聴力低下の進行を予防したり逆転させたりする治療法は確立されていません。

留意点

前庭水道橋症候群による難聴は、他の原因による難聴と同様の影響があります。幼少期から言語習得の過程でスピーチセラピーを受け、言語能力と発話をしっかりと育てることが重要です。また、難聴は怒りや不安、抑うつといった情緒的なストレスを引き起こすことがあります。そうした場合は、適切なカウンセリングや支援を受けることが求められます。

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