めまい(眩暈)治療法の全体像

めまいは自分が不安定に感じたり、周囲が回転しているように感じる症状です。日常的に起こる軽いふらつきとは異なり、根本的な原因に基づく治療が必要です。代表的な疾患として、良性発作性頭位めまい症(BPPV)やメニエール病があります。

良性発作性頭位めまい症(BPPV)のカナリス再定位法

  • 医師の診療室で行う手技で、頭部をゆっくりと特定の姿勢に移動させます。耳内に漂着した微小な粒子(耳石)を別の部位へ移動させ、内耳液が再吸収しやすい状態にします。1〜2回の施術で症状が改善することもありますが、効果が現れるまで数回受診が必要な場合もあります。自宅で行える姿勢変換法も指導されます。

カナリス手術(骨塞栓術)

  • 再定位法が効果を示さない場合に選択される外科的手段です。骨プラグで内耳の半規管の一部を遮断し、粒子の動きや頭部の動きに対する感受性を失わせます。約90%の患者でめまいが改善し、聴力低下は5%未満にとどまります。

メニエール病によるめまいの薬物療法

  • 抗めまい薬として、めまい止めのメクリジン(Antivert)やジアゼパム(Valium)がよく用いられます。これらは回転感覚を抑え、吐き気や嘔吐を防止します。さらに、プロクロルペラジンなどの制吐剤が併用されることがあります。

メニエール病に対する内耳注射療法

  • 内耳に直接薬剤を注入する方法です。抗生物質のゲンタマイシンはめまい発作の頻度と強さを減少させますが、内耳に対する毒性があり聴力低下のリスクがあります。ステロイド注射は効果はやや劣りますが、聴力への影響は低いとされています。

メニエール病に対する外科手術

  • 薬物療法や注射療法で効果が得られない場合に検討されます。

    ・内リンパ嚢手術:内耳の液体産生を抑え、吸収を促進してめまいを軽減します。

    ・ラビリント切除術(ラビリントレクトミー):内耳の一部または全部を除去する手術で、対象側の聴力は失われますが、重度のめまいを根本的に止めます。

    ・前庭神経切断術:平衡感覚を脳へ伝える前庭神経を切断し、めまいを除去します。手術後も聴力が残る可能性があります。

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