聴覚検査の重要性と方法
日常生活で普通に聞こえている音は、実は私たちの耳がしっかり機能しているからこそです。水が流れる音や電話での会話、テレビの音声は、ほとんど意識せずに聞き取れます。もし聴力が低下すると、これらの音が聞こえにくくなり、生活の質が大きく損なわれます。聴覚に不安がある方は、耳鼻科の専門医(聴覚士)に検査を受けましょう。純音空気伝導・骨伝導聴力測定など、複数のテストで正確に評価します。
空気伝導聴力測定(Air Conduction Audiometry)
音は空気中を伝わって耳に届きます。外耳(耳道・鼓膜)→中耳→内耳という順に音が伝わり、最終的に蝸牛(コクレア)で受信されます。
検査ではヘッドホンを装着し、さまざまな周波数のトーンを聞きます。音が聞こえたら手を上げるか、専用の「応答」ボタンを押して知らせます。高音(トレブル)と低音(バス)のトーンが徐々に小さくなりますが、聞こえる限り必ず応答してください。
骨伝導聴力測定(Bone Conduction Audiometry)
音は頭蓋骨の振動でも伝わります。骨伝導では、音が直接内耳に届き、鼓膜や中耳を経由しません。
検査では、耳の後ろの乳様突起に骨振動子を当て、同じトーンを聞きます。空気伝導テストと同様に、聞こえたら手やボタンで応答します。
聴力低下のタイプ
空気伝導と骨伝導の結果を比較することで、聴力低下の原因が分かります。
- 伝音性難聴(Conductive hearing loss):骨伝導の方が聞こえやすい場合。内耳は正常ですが、外耳・中耳に何らかの障害があり、音が伝わりにくくなっています。
- 感音性難聴(Sensorineural hearing loss):空気伝導と骨伝導の結果が同程度の場合。外耳・中耳は正常ですが、内耳(蝸牛)や聴神経に問題があります。
- 混合性難聴(Mixed hearing loss):外耳・中耳・内耳すべてに障害がある場合。空気伝導・骨伝導ともに聞こえにくくなります。
難聴の程度と周波数
純音テストで測定したデシベル(dB)と周波数により、難聴の重症度が分かります。低音から高音までの範囲で、25 dB 以下で聞こえれば「正常」と判断されます。
検査時の留意点
空気伝導・骨伝導の純音テストは、基本的な聴覚情報を提供します。異常が疑われる場合は、聴覚士がさらに詳細な検査(言語聴覚テストやバランステストなど)を実施します。
