良性発作性頭位めまい症(BPPV)の治療法
良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、実際には動いていないのに体が回転しているように感じるめまいを引き起こす疾患です。内耳にある微小な結晶(耳石、オトコニア)が何らかの原因で剥がれ、半規管内を漂うことで感覚が乱れます。多くの場合、物理的リハビリテーションで改善が期待でき、治療成績は高いです。
BPPVの原因
耳石が移動する原因はさまざまです。最も一般的なのは頭部外傷で、交通事故や転倒などがきっかけとなります。加齢に伴う自然な変性も高齢者で頻繁に見られます。稀にウイルス感染や特定の薬剤が関与することがありますが、頻度は低いです。主な症状は回転性めまいで、これに伴い吐き気や不安感が現れることがあります。
エプレイ法(Epley Maneuver)
正式名称は「管内結石再定位法(Canalith Repositioning Maneuver)」で、医師が最も推奨する治療法です。患者の頭部を4つの姿勢に順に変え、各姿勢を約30秒間保持します。継続的に実施すれば、成功率は70〜90%に達します。
セモント法(Semont Maneuver)
エプレイ法と類似していますが、頭部の回転角度や姿勢保持時間に若干の違いがあります。欧州ではエプレイ法と併用して頻繁に用いられますが、米国ではあまり採用されていません。頭部を特定の角度で素早く倒すことで、耳石を正しい位置へと誘導します。
ブランド・ダロフ体操(Brandt‑Daroff Exercises)
耳石の位置が特定しにくい場合に用いられる自宅でできるリハビリです。患者は左右に体を傾け、めまいが収まるまでその姿勢を保ちます。1日2回、各10〜20回繰り返すことで、成功率は90%近くに達し、数日で効果が現れることもあります。
その他の治療法
上記の理学療法が効果を示さない場合、外科的手術が最終手段として検討されます。成功率は中程度です。また、抗めまい薬(例:AntiVert)や少量のバリウム(ジアゼパム)で症状を緩和することもありますが、根本的な治癒は期待できません。重度の発作時には転倒防止のために杖を使用することも推奨されます。
