屈折計の活用法
屈折計は、液体・固体・気体の屈折率を測定する装置です。光は媒体の屈折率が空気と異なると進行方向を変えますが、その屈折の度合いは屈折率に比例します。そのため、屈折計は非侵襲的に物質の同定や特性評価ができるツールとして、視覚医療、獣医学、宝石鑑定、ワインやビールの醸造など幅広い分野で利用されています。
視覚医療
光学屈折計は、視力検査や眼鏡処方に用いられます。網膜に光が正確に焦点を結ぶかどうかが視力の鍵です。外傷や加齢などで眼球内の液体の屈折特性が不均一になると、光が適切に屈折せず、焦点がずれて視力低下を招きます。屈折計で眼の主要部位の屈折率を測定すれば、適切な矯正方法を決定できます。
獣医学
1960年代初頭から、手持ち型のシンプルな屈折計は家畜の血清中タンパク質や尿の比重測定に広く使われています。操作が簡単で迅速、コストも低く、バイウレット法などの複雑な手法と比べても精度が高い点が利点です。
宝石鑑定
宝石学者はまず宝石の真贋を判定し、続いて品質評価を行います。屈折計は宝石の固有の屈折率を測定し、鑑定に役立ちます。たとえばダイヤモンドの屈折率は2.42で、すべての物質中で最も高く、トパーズは1.64です。真空の屈折率は1です。
ワイン醸造
屈折計は果汁中の糖度を測定し、ワイン製造に適した時期かどうかを判断します。測定値はブリックス(°Brix)スケールに換算され、ワイン醸造では広く用いられています。必要なサンプル量は数滴と少量で済むため、他の測定法に比べて手軽です。同様の手法はビール醸造でも糖度測定に利用されています。
