はじめに
コンタクトレンズは数世紀にわたる試行錯誤の末、現在のような快適な製品へと進化してきました。本稿では、初期の概念から最新の使い捨てレンズに至るまでの主要な出来事を時系列でまとめます。
初期の試み
1820年代、イギリスのサー・ジョン・ハーシェルは眼球の形に合わせてガラスを研削し、視力矯正に役立てる構想を提案しました。スイス・チューリッヒのA.E.フィックはこの考えを実験に移し、1888年にウサギや人間の死体、最終的には自らの眼にガラスレンズを装着することで、実用可能性を検証しました。
ガラスとプラスチックの融合
フィックの全ガラスレンズは装着感が非常に悪く、2時間以上は使用できませんでした。そのため開発は一時低迷します。1936年、ニューヨークの眼科医ウィリアム・ファインブルームが、角膜を覆うガラス中心部と、強膜を覆うプラスチックリングからなるレンズを製作し、快適性の向上を図りました。
完全プラスチックレンズの登場
1948年、カリフォルニアの光学技師ケビン・トゥーヒーは、全体をプラスチックで成形した小型レンズ(全角膜覆い)を開発しました。このレンズはその後1950〜60年代にかけて改良が重ねられ、現在のハードコンタクトレンズの原型となりました。
ソフトコンタクトレンズの誕生
1945年にチェコの化学者オットー・ヴィヒテルが開発したヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)は、水分を吸収して柔らかくなる特性を持ちます。ヴィヒテルはこの素材を用いて、柔らかく水分を保持するソフトコンタクトレンズを実用化しました。
Bausch & Lombによる商業化
ヴィヒテルの研究は米国のコンタクトレンズメーカーBausch & Lombに採用され、1971年に世界初の商業用ソフトコンタクトレンズが市場に投入されました。これにより、コンタクトレンズは一般消費者にも広く普及するようになりました。
使い捨てレンズの普及
1981年に長時間装着が可能なエクステンデッドウェアレンズが登場し、続いて1987年に使い捨てソフトコンタクトレンズが商業販売されました。これらの製品は衛生面と利便性の向上に大きく貢献しています。
