格子状角膜ジストロフィー(Lattice Dystrophy)
角膜は眼球の透明な外側窓で、光を網膜へ導く役割を持ちます。角膜に損傷や機能不全が起きると、さまざまな角膜疾患が発症します。その一つが「格子状角膜ジストロフィー(Lattice Dystrophy)」です。
格子状角膜ジストロフィーとは
角膜は表皮層、真皮層(ストローマ)、内皮層の3層から構成されます。真皮層は角膜全体の約90%を占め、強度と弾力性を提供します。格子状角膜ジストロフィーは、この真皮層に異常なタンパク線維が沈着することで起こります。
特徴
真皮層の繊維は光の透過性を保つ重要な役割を果たしますが、ジストロフィーではカンマ形や枝分かれした線状の異常タンパクが網目状(格子状)に分布します。
影響
異常線維が不透明になり、時間とともに真皮層全体に広がります。その結果、角膜が濁り視力が低下します。
上皮侵食(Epithelial Erosion)
異常線維が上皮下に蓄積すると、上皮と真皮層の接続が乱れ、上皮が剥がれやすくなります。これにより角膜形状が変化し、視力障害や神経露出による疼痛が生じます。
治療法
症状の軽重に応じて、処方点眼薬・軟膏・眼を閉じたまま保護するアイパッチなどが用いられます。重症例では角膜移植が検討されますが、移植後に再発するケースも報告されています(約50%が2〜26年後に再発)。
予防と管理
定期的な眼科受診により、初期症状を早期に発見・対処できます。ただし、遺伝性のジストロフィーは予防が難しいため、早期診断と適切な治療が重要です。
