色覚検査とは何か:目的・手順・結果の意味
色覚検査とは
色覚検査は、主にイシハラ図版を用いて、色を識別できるかどうかを評価する検査です。結果が正常でない場合は、一般に「色覚異常(色盲)」と呼ばれる状態が疑われます。全く色が見えず灰色だけが見える「全色盲」は極めて稀です。
主な色覚異常と原因
最も頻度が高いのは赤と緑を区別しにくいタイプです。原因は遺伝的要因のほか、加齢、特定の薬剤や全身疾患、化学物質への曝露などがあります。
- 遺伝(常染色体劣性遺伝)
- 加齢
- 薬剤や全身疾患による二次的変化
- 有害化学物質への接触
Color Blind Awareness のデータによれば、男性では約12人に1人、女性では約200人に1人が色覚異常を持ち、その多くは遺伝によります。
疾患が原因となるケース
緑内障などの視神経疾患や、網膜の錐体細胞(色を感知する光受容体)の先天的異常が原因になることもあります。また、以下の疾患は色覚に影響を与えることが知られています。
- 糖尿病
- アルコール依存症
- 黄斑変性症
- 白血病
- アルツハイマー病
- パーキンソン病
- 鎌状赤血球症
基礎疾患を治療すれば、色覚が改善する場合があります。
検査のタイミングと準備
自覚症状がある場合や、子どもの定期検診の際に色覚検査を追加すると、早期に問題を把握できます。眼鏡やコンタクトレンズを装着したまま検査を受けても構いません。検査前に医師から服用中の薬や既往歴、家族歴について質問されます。
検査自体にリスクはなく、特別な準備も不要です。
検査の流れ
明るさが標準的な部屋で、片目を覆いながら残した目でカラフルな点が配置されたカードを見ます。カードには正常な色覚を持つ人にははっきり見える数字や記号が隠されています。見えない場合は色覚異常が疑われます。
反対の目でも同様に行い、必要に応じて医師が色の強さを比較させることもあります。
代表的な色覚異常の種類
- プロタノピア:青緑と赤緑の区別が困難
- トリタノピア:黄緑と青緑の区別が困難
- デュータノピア:赤紫と緑紫の区別が困難
- 全色盲(アクロマトプシア):色を全く感じない(稀)
治療と対策
色覚そのものを回復させる治療法は現在ありませんが、糖尿病や緑内障などの二次的な原因がある場合は、基礎疾患の管理で色覚が改善することがあります。
特殊な色付きレンズやカラ―コンタクトレンズはコントラストを向上させることがありますが、根本的な色覚異常を治すわけではありません。
日常生活への影響
色覚異常は痛みを伴わず、ほとんどの場合日常生活に大きな支障はありませんが、日焼けの判断や熟した果物の識別などで不便を感じることがあります。疑いがある場合は早めに検査し、基礎疾患があれば適切に対処することで影響を軽減できます。
