LASIK(レーザー角膜屈折矯正術)

現在最も一般的なレーザー眼科手術はLASIK(Laser In‑Situ Keratomileusis)です。手術は2段階で行われます。まず、Intralase FSレーザーを用いて角膜の約90%に水平にフラップ(薄片)を作ります。このフラップは一時的に折りたたんで角膜本体から離します。次に、エキシマーレーザーで角膜の形状を精密に再形成し、フラップを元の位置に戻します。フラップは自然に接着し、縫合は不要です。

Intralase FSレーザー(フェムト秒レーザー)

Intralase FSレーザーはフェムト秒(10⁻¹⁵秒)パルスを発生させるコンピュータ制御のレーザーで、従来のマイクロケラトーム(金属ブレード)に比べて安全性が格段に向上しました。真空リングで角膜を固定し、金属ブレードで切る方式では、ブレードの機械的衝撃や感染リスクがありましたが、フェムト秒レーザーは光でフラップを切断するため、眼への負担が大幅に減少します。

エキシマーレーザー

エキシマーレーザーは波長193nmの紫外線レーザーで、角膜組織をミクロン単位で蒸発させ(アブレーション)ながら形状を整えます。極めて高い精度で組織を除去できるため、角膜の屈折力を正確に調整できます。

Intralase FSレーザーとエキシマーレーザーの違い

Intralase FSレーザーはフラップ作成に使用され、1回のパルスで約3µmの組織を切断します。一方、エキシマーレーザーは角膜表面の組織を1µm単位で除去します。エキシマーレーザーは波長が短く(193nm)角膜に直接吸収され、即座に組織を蒸発させます。FSレーザーは波長1053nmと長く、組織を通過してから特定の焦点でエネルギーを放出するため、フラップ作成時の熱影響が少なくなります。

PRK(光屈折角膜切除術)

PRKはLASIKが普及する前に主流だった手術で、エキシマーレーザーだけで角膜表面を直接削る方法です。フラップを作らないため、手術自体は簡単ですが、角膜上皮の再生に数週間から数か月かかり、視力が安定するまでに最大6か月要することがあります。また、術後の痛みや感染リスクもLASIKに比べて高いです。

カスタムLASIK(ウェーブフロント矯正)

カスタムLASIKはウェーブフロントアナライザーを用いて、眼全体の光学的誤差を3次元でマッピングします。従来のトポグラフィー(角膜表面の形状測定)に加えて、内部の屈折異常も検出できるため、個々の患者に最適化されたレーザー照射が可能です。これにより、乱視や高次像差の補正精度が向上し、術後の視覚品質が高まります。