テイ=サックス病の症状と治療

形態

  • テイ=サックス病は遺伝性の酵素欠損症で、酵素ヘキソサミニダーゼAの活性が不足します。その程度により、3つの形態に分かれます。
    • 古典的乳児型(Classic Infantile):出生後数か月以内に症状が現れ、最も重症です。
    • 青年型(Juvenile):2歳から5歳頃に発症し、乳児型よりは軽度ですが進行します。
    • 遅発型(Late‑Onset):10代後半から20代にかけて症状が出始め、比較的軽い経過をたどります。

初期症状

  • 乳児型では、生後数か月は正常に見えるものの、脳内にGM2ガングリオシドが蓄積し始めると以下の症状が現れます。
    • けいれんや過度の驚きやすさ
    • 目線の合わなさ、無表情
    • 無気力・イライラ感の増加
    • 笑わなくなる、体位変換(寝返り・はいはい)ができなくなる
    • 成長遅延、精神・社会的発達の遅れ

進行した場合の症状

  • 病状が進行すると、嚥下障害や摂食困難が生じ、食事が困難になります。
  • 運動機能の完全喪失、視覚・聴覚の喪失(または両方)が起こります。
  • 乳児型の予後は5歳未満、青年型は15歳前後での死亡が一般的です。

青年期・遅発型の症状

  • ヘキソサミニダーゼAが一部残存しているため、症状は徐々に現れます。
  • 主な症状は筋力低下で、歩行障害、バランス障害、座位や仰向けからの起き上がりが困難になります。
  • 発語が不明瞭になることや、精神症状(認知障害や精神病様症状)が出ることがあります。
  • 遅発型は寿命への直接的な影響は少ないものの、生活の質が著しく低下します。

治療法

  • 現在、根本的な治療法は確立されていません。研究は続けられていますが、主に症状緩和と生活の快適性向上を目的とした対症療法が行われます。
  • 呼吸管理や肺の粘液除去、必要に応じた人工呼吸器の使用が行われます。
  • 嚥下困難が進行した場合は経鼻胃管や胃瘻が必要になることがあります。
  • けいれんや振戦に対する抗痙攣薬、筋肉の柔軟性と刺激を保つための理学療法が有効です。

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