閉経とその治療法
閉経とは
閉経は月経と妊娠能力が終了することを意味し、卵巣からのエストロゲンとプロゲステロンの分泌が減少します。多くの女性は45歳から55歳の間に閉経しますが、30代で経験する人もいます。
閉経への過程
閉経に至るまでの期間を「周閉経」と呼びます。この期間は平均で約4年、最長で10年続くことがあります。周閉経中はエストロゲンの産生が徐々に減少し、ほてりや月経不規則など、閉経に典型的な症状が現れ始めます。月経が1年間続かない場合に閉経と診断されます。
主な症状
閉経前後に現れる代表的な症状は以下の通りです。
- ほてり(ホットフラッシュ)や夜間の発汗
- 睡眠障害
- 腹部脂肪の増加
- 月経前症候群(PMS)の悪化
- 乳房の張りや痛み
- 膣の乾燥、性交時の痛み
- 気分の変動、イライラ
- 性欲低下
- 髪の毛の細り
- 尿失禁や頻尿
月経は不規則になり、出血量や期間が変化します。月経が数か月途切れることもあります。
リスク要因
閉経は主に加齢による自然な現象ですが、以下の要因で早期に起こることがあります。
- 化学療法や放射線治療
- 早発性卵巣不全(40歳未満の女性の約1%が罹患)
- 自己免疫疾患や遺伝的要因
- 子宮摘出手術(卵巣を残す場合は閉経時期は変わりません)
治療法
治療は主に症状緩和を目的とします。代表的な選択肢は以下の通りです。
- ホルモン補充療法(HRT):エストロゲン単独またはエストロゲン+プロゲステロンの組み合わせ。膣の乾燥、ほてり、夜間発汗、かゆみ、気分の不安定さを改善し、結腸がんや骨粗鬆症のリスクを低減します。ただし、子宮内膜がん、血栓、乳がん、脳卒中のリスクが上昇する可能性があります。医師は最小有効量で処方します。
- HRT以外の薬剤:ガバペンチン(てんかん治療薬)、低用量抗うつ薬、クロニジン(高血圧薬)などがほてりの軽減に有効です。
- 局所エストロゲン:膣に直接塗布するエストロゲンは、尿症状や性交時の痛み、乾燥に安全に対処できます。
- 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)※骨密度維持に効果があり、エストロゲン使用時のリスクを回避できます。
閉経期のセルフケア
処方薬に頼らず症状を和らげる方法もあります。
- 水性の膣潤滑剤を使用し、性交時の不快感を軽減。
- カルシウムとビタミンDを十分に摂取し、骨粗鬆症予防。
- 重ね着で体温調節し、ほてりに対応。
- 定期的な運動とバランスの取れた食事で全体的な健康を維持。
