爪の黒いスプリント(爪下出血)とは何か?
爪の下や足の爪の下に黒く細長い線が見えることがあります。これは主に爪下出血(スプリントヘモレージ)と呼ばれる現象で、血液が爪床の縦方向のリッジ間にたまり、時間とともに赤茶色から黒く変化します。外傷がなく、他の症状と併せて現れる場合は、全身性の疾患が関与している可能性があるため、医師の診察が必要です。
外観
爪床の血管は縦方向に並んだリッジ状に配置されています。リッジが破れると血液がリッジ間に流れ込み、爪の成長方向に沿った細い黒線が現れます。この見た目がまるで爪の下に細い木くず(スプリント)が刺さったように見えることから、スプリントヘモレージと呼ばれます。
原因
主な原因は爪への外的外傷です。打撲や圧迫により血管が微細に損傷し、血液が漏れ出します。ほかにも、心内膜炎などの心臓感染症や、壊血病、肝硬変、血管炎といった全身性疾患でも起こります。全爪に同時に出血が見られる場合は、トリヒナ症や回虫感染など寄生虫が関与していることがあります。
出血部位と鑑別
出血が爪先端(遠位三分の一)にある場合は、外傷が原因であることが多いです。一方、爪床の下部や根元付近に現れる場合は、心内膜炎や結合組織疾患などの全身性疾患が疑われます。高齢者では外傷性が、若年成人では全身性疾患が原因となるケースが多いです。
爪下黒色腫(サブゥングアルメラノーマ)との違い
黒い線が見えると、がんである爪下黒色腫と混同しやすいですが、黒色腫は通常爪床から徐々に拡大し、色が不均一で境界が不明瞭です。スプリントヘモレージは突然現れ、位置が局所的で時間とともに色が変化します。黒色腫は日本人やアフリカ系アメリカ人に多く見られますが、頻度はスプリントヘモレージに比べてはるかに低いです。
