高血圧はいつ最初に発見されたのか?

古代ギリシャやエジプトの医師は約2000年前に血液が体内を循環するという概念を提唱しましたが、血圧がその駆動力であることが証明されるまでには時間がかかりました。血圧は人により異なるという科学的理論は17世紀に登場し、19世紀後半に測定技術が確立されて定量化されました。

血圧の理論

血圧概念の先駆者はイギリスの獣医師スティーブン・ヘイルズです。1733年、ヘイルズは馬の動脈に真鍮製の管を差し込み、管をガラス管に接続しました。ガラス管内の血液が上昇する様子から、圧力が血液を押し出していると結論付けましたが、当時は圧力を数値化する手段がありませんでした。

血圧の最初の記録(1847年)

1847年、カール・ルートヴィヒは患者の動脈にカテーテルを挿入し、キモグラフという装置に接続しました。U字形のチューブと象牙製のフロートが回転ドラムに血圧変化を描写し、初めて人間の血圧が記録されました。この成功により、カテーテルを用いずに血圧を測定する方法の開発が進められました。

非侵襲的測定法

1881年、サミュエル・カール・リッター・フォン・バッシュは水袋を用いた血圧計(スフィグモマンノメーター)を発明し、血圧の収縮期を温度計形状の装置で記録しました。1896年、シピオーネ・リバ=ロッチは水銀式スフィグモマンノメーターを改良し、上腕に装着するカフで腕動脈を圧迫して血圧を測定できるようにしました。

血圧測定の普及

1901年、米国の神経外科医ハーヴィー・カッシングはイタリアの展示会で新型スフィグモマンノメーターを見て米国に持ち帰り、ボストンのマサチューセッツ総合病院で使用を開始しました。これにより、血圧測定が米国の標準的な健康チェック項目となり、広く普及しました。

拡張期血圧の登場

ニコライ・コロトコフはカフの膨張・除圧時に動脈が発する音に注目し、これを利用して拡張期血圧(心周期の安静期の最低圧)を測定する方法を確立しました。この測定法により「120/80 mmHg」という正常血圧基準が定着しました。1950年代まで高血圧が脳卒中や心筋梗塞のリスクと結びつくことは十分に認識されていませんでした。

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