血液中カルシウムが高いとどんな危険がありますか?
高カルシウム血症とは
血中カルシウム濃度が正常範囲を超える状態を高カルシウム血症(ハイパーカルシウム血症)と言います。過剰なカルシウムは様々な臓器に影響を及ぼし、放置すると深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
主な症状と合併症
腎結石
血中カルシウムが高いと、腎臓内でカルシウムが結晶化しやすくなり、腎結石ができやすくなります。結石は尿の流れを妨げ、激しい疼痛や尿路感染の原因となります。
骨密度の低下
血中カルシウムが過剰になると、体は血液中の濃度を正常に保つために骨からカルシウムを取り出します。その結果、骨が脆くなり、骨折リスクが上昇します。
軟部組織の石灰化
心臓、血管、腎臓などの軟部組織にカルシウムが沈着すると、組織の機能障害や硬化が起こります。特に血管の石灰化は高血圧や心血管疾患のリスクを高めます。
神経系への影響
高カルシウムは脳機能にも影響し、混乱、錯乱、記憶障害といった症状が現れることがあります。
消化器症状
吐き気や嘔吐、食欲不振が頻繁に見られます。
筋力低下と倦怠感
筋肉の弱化や全身の疲労感が生じ、日常生活に支障をきたすことがあります。
重篤例
極端に高いカルシウム濃度は心不整脈や呼吸不全を引き起こし、命に関わることがあります。
治療の基本
高カルシウム血症が疑われる場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。主な治療法は以下の通りです。
- 静脈点滴による水分補給で尿量を増やし、カルシウムの排泄を促進する。
- カルシウム吸収抑制薬や骨からのカルシウム放出を抑える薬剤を使用する。
- 原因疾患(副甲状腺機能亢進症、癌など)に対する根本的治療を行う。
高カルシウム血症の主な原因
副甲状腺機能亢進症
甲状腺近くにある副甲状腺が過剰に副甲状腺ホルモン(PTH)を分泌し、血中カルシウムを上昇させます。
悪性腫瘍
肺がん、乳がん、多発性骨髄腫などのがんは、骨からカルシウムが放出されるか、ホルモン様物質を産生してカルシウム濃度を上げます。
その他の疾患
慢性腎不全、ビタミンD過剰症、サルコイドーシスなども高カルシウム血症を引き起こすことがあります。
薬剤性
チアジド系利尿薬やリチウムなど、一部の薬剤はカルシウム代謝に影響し、血中濃度を上昇させます。
