女性になるためのホルモン治療

男性から女性への性別適合を目指すトランスジェンダーの方にとって、ホルモン治療は第二の思春期と呼ばれる重要なプロセスです。エストロゲンや抗アンドロゲンを用いて、女性らしい身体的特徴を徐々に形成します。治療は通常3〜5年かかり、手術(性別適合手術や精巣除去術)と併用されることが多いです。

カウンセリングと診断

ホルモン療法を開始する前に、必ず精神科・心理士による評価を受けます。診断が確定すると、トランスジェンダーとしての診断書が発行され、治療が開始できるようになります。評価期間は最低でも3か月、場合によってはそれ以上かかります。

診断後は、血液検査でエストロゲンとテストステロンの基準値を測定し、今後の治療計画のベースとします。また、既往歴や現在の健康状態を把握するための全身的な身体検査も実施します。

エストロゲン療法

エストロゲンは女性ホルモンとして、胸の発達や皮下脂肪の変化、皮膚の柔らかさなど、女性らしい身体変化を促します。経口エストロゲンが最も一般的で、費用も比較的安価です。

初期投与例としては、エストラジオール(Estrace/Estrofem)6〜8 mg/日、エストラジオール酢酸エステル(Progynova)6〜8 mg/日、またはエクイナエストロゲン(Premarin)5 mg/日が用いられます。投与量は個人差があるため、定期的に血中濃度を測定しながら調整します。血栓リスクを低減するため、81 mgのアスピリンを併用することがあります。

テストステロン抑制

女性化を促進するためには、体内のテストステロンを減少させることが重要です。抗アンドロゲン薬を併用することで、テストステロン濃度を女性と同等のレベルに下げられます。

代表的な薬剤は、スピロノラクトン(Aldactone)100〜300 mg/日、またはシプロテロン酢酸エステル(Androcur)100〜150 mg/日です。テストステロンが低下すると、エストロゲンの投与量も減らすことが可能です。

プロゲステロンの併用(任意)

一部の医師は、乳房の発達を促す目的でプロゲステロンを加えることがあります。ただし、効果には個人差があり、必須とはみなされていません。

使用例としては、メドロキシプロゲステロン(Provera)5〜10 mg/日、またはミクロ化プロゲステロン(Prometrium)100 mgを1日2回などがあります。

※本情報は一般的なガイドラインを基にしています。実際の治療は、必ず担当医と相談の上で決定してください。

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