プロビロン(ミエスタロン)の副作用と注意点
識別
プロビロンは、バイエル社が販売するステロイドホルモン「ミエスタロン」の商品名です。テストステロン由来の化合物で、ジヒドロテストステロン(DHT)に非常に近い構造を持ちます。テストステロンは精巣、卵巣、副腎で自然に産生され、DHTは5α-リダクターゼ酵素によってテストステロンから変換されます。
テストステロン同様、プロビロンは強いアンドロゲン作用(男性化作用)を示し、筋肉の増強効果(軽度のアナボリック作用)もあります。
適応と利点
医師は、男性の体内でテストステロンが不足する「性腺機能低下症」の治療薬としてプロビロンを処方します。この状態は、筋肉量の減少、体脂肪の増加、骨密度低下、性欲減退、勃起不全、うつ、疲労感、全般的な精神的・肉体的健康の低下を招きます。プロビロンでテストステロンを補充することで、これらの症状を緩和または改善できます。
違法使用時の効果
ボディビルダーやパワーリフティング選手は、ステロイド使用に伴う過剰テストステロンの副作用を抑える目的で、1日25〜100 mgのプロビロンを併用することがあります。プロビロンはアロマターゼ酵素に強く結合し、テストステロンがエストロゲンへ変換されるのを阻害するため、男性乳房肥大(女性化乳房)のリスクを低減します。また、DHTに似た構造から、筋肉のハードさ向上や筋力増強といった効果も期待されています。
警告・禁忌
以下の条件を持つ人はプロビロンの使用を避けるべきです。
- 肝臓腫瘍の既往歴がある方
- 前立腺肥大や前立腺がんのリスクがある高齢男性
- 高カルシウム血症(高血カルシウム)患者
- 高血圧、糖尿病、腎臓病、てんかん、心疾患を有する方は、使用前に必ず医師と相談
- 妊娠中・妊娠可能な女性、子供は使用禁止
妊娠中にアンドロゲンを投与すると、胎児の女性が男性化した特徴を示すことがあります。また、子供への外用・経口投与は成長阻害のリスクがあります。
男性化(ビリル化)
プロビロンはDHTに似た作用を持つため、以下のような強い男性化症状が現れることがあります。
- 声が低くなる
- 顔面・体毛の増加
- にきび・皮脂分泌増加
- 男性型脱毛症の進行
高用量での使用は精子産生を抑制し、不妊の原因になることがあります。
女性がプロビロンを使用すると、筋肉量増加や体脂肪の再分布(胸部縮小)など、思春期男性に似た体形変化が起こります。また、リビドーの変化、生理不順、陰核肥大といった症状も報告されています。
その他の危険性
稀に、プロビロンに類似したアンドロゲンが肝臓腫瘍を引き起こすケースがあります。最も一般的に報告されている副作用は、持続的・頻繁な勃起(持続勃起)です。
