PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)のホルモンバランス治療とは?
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、卵巣に嚢胞が多数できる疾患で、月経不順やホルモンバランスの乱れ、血管系の変化、外見の変化、さらには不妊の原因にもなります。主に男性ホルモン(アンドロゲン)が過剰で、エストロゲンなど女性ホルモンが低下しています。治療の基本はホルモンバランスを整えることです。
PCOSの主な症状
- 月経が不規則、または欠如する
- 多毛(顔や背中、胸部など)
- にきびや皮脂分泌の増加
- 肥満、特に腹部肥満
- 高血圧・高コレステロール・糖尿病のリスク上昇
治療は、月経を正常化し、過剰な男性ホルモンの症状を抑え、肥満やにきびといった個別の症状に対処することを目的とします。
経口避妊薬(ピル)
エストロゲンとプロゲステロンを含む経口避妊薬は、女性ホルモンのバランスを整え、月経不順を改善します。規則的な月経が確保されることで、子宮内膜の過剰増殖が防がれ、子宮体がんのリスクも低減します。
抗アンドロゲン薬
男性ホルモンが原因で現れる多毛やにきび、腹部肥満には、テストステロンの産生や作用を抑える抗アンドロゲン薬が有効です。代表的な薬剤としてスピロノラクトンなどがあります。
インスリン抵抗性の改善
米国国立衛生研究所(NIH)の研究では、PCOS患者に高インスリン血症が頻繁に見られ、インスリンがテストステロン産生を刺激することが明らかになっています。インスリンレベルを下げることでテストステロンも減少し、多毛・肥満・心血管リスクが軽減します。メトホルミン(商品名:グルコファージ)や、食事中のデンプン・糖質を減らすことが有効です。
症状別の具体的治療
- 多毛:電気脱毛やレーザー脱毛で根本的に除毛
- にきび:外用薬や内服薬による治療
- 肥満:食事管理と適度な運動で体重コントロール
- 不妊:排卵誘発剤や体外受精などの生殖医療
個々の症状やライフスタイルに合わせて、医師と相談しながら最適な治療プランを選択してください。
