ヒトにおけるフックワーム感染
米国疾病予防管理センター(CDC)によると、フックワームはヒトに感染する寄生線虫の中で2番目に多い種類です。世界中の温暖で湿潤な地域に広く分布し、2002年の調査では約13億人が感染していると推定されています。
主な種
- ヒトに感染する代表的な種は Ancylostoma duodenale と Necator americanus です。
- ペット(犬・猫)に寄生する種もあり、これらが皮膚を通してヒトに感染することがあります。
感染経路
- フックワームの卵は土壌中にあり、孵化した幼虫は人の皮膚を貫通します。裸足で汚染された土壌を歩くことが主な感染経路です。
- また、汚染された土壌に触れた手や食べ物を介して口から摂取することでも感染します。
動物由来感染(人獣共通感染)
- 犬や猫の幼犬・子猫に特に多く見られ、幼虫は土壌を介してヒトに伝播します。子どもが土を舐めたり、皮膚に付着した幼虫が侵入することで感染します。
- 予防には定期的な駆虫が重要です。
生活環
- 成虫雌は小腸内で数千個の卵を産み、糞と共に排出されます。
- 土壌中で卵が孵化し、幼虫が皮膚を通して体内に侵入。血流で肺へ運ばれ、気道を通って咽頭に達し、嚥下されて小腸に戻ります。
- 小腸で成虫に成長し、腸壁に付着して宿主の血液を吸血します。
主な症状
- 下痢、腹痛。
- 皮膚侵入部位のかゆみや発疹。
- 成虫が血液を吸うため、鉄欠乏性貧血を引き起こすことがあります。
- 重症例や免疫低下者では心肺、消化器、栄養・代謝障害が見られることがあります。
診断
- 糞便検査で卵を顕微鏡観察するのが標準的な診断法です。ただし、種の特定は困難です。
治療
- 主にアルベンドゾール、メベンドゾール、ピラントパモエートなどの駆虫薬が用いられます。
