抗体とは何か
免疫システムは、細菌やウイルスなどの異物に結合するタンパク質「抗体」を産生します。抗体は、ウイルスや細菌の表面にある抗原と結合し、再び同じ病原体が体内に侵入した際に素早く攻撃できるように備えます。このため、抗体が体内に残っていると感染を防ぎ、免疫が形成されたと判断されます。肝炎や単核球症、HIV、帯状疱疹ウイルスなどに対する抗体は、血液検査で検出可能です。
抗体検査の概要
抗体検査は、腕の内側の静脈から採血し、血中に存在する抗体の有無と量を測定します。検査前の特別な準備は不要ですが、抗凝固薬を服用している場合や出血・凝固障害がある場合は、事前に検査技師へ伝えてください。
抗体検査の結果の見方
検査で抗体が検出されなければ「陰性」となり、通常は問題がないことを示します。抗体が陽性の場合は、以下のような背景が考えられます。
- 全身性エリテマトーデス(SLE)やリンパ腫、進行がんなどの自己免疫・腫瘍性疾患
- 溶血性貧血、マイコプラズマ感染、感染性単核球症
- 輸血時の血液型不適合やRh因子の確認
検査結果に影響を与える要因
以下のような状況や薬剤は、抗体検査の結果を変えることがあります。
- 過去の輸血や最近の妊娠歴
- インスリン、テトラサイクリン系、セフェム系、結核治療薬、スルファ薬などの服用
- 造影剤やデキストラン注射など、検査直前に使用した医薬品
指紋を用いた抗体検査の最前線
英国の研究者は、指紋から抗体を検出する技術を開発中です。指紋は個人を特定できるだけでなく、サンプルの混入リスクが低く、大量スクリーニングに適しています。
この技術は、指紋データベースに未登録の容疑者の特定や、喫煙習慣、薬物使用、感染症、さらには食生活までを推測する手がかりになる可能性があります。東アングリア大学とキングス・カレッジの共同研究チームは、すでに喫煙者と非喫煙者の指紋を区別できる実証実験を行っています。
